成熟市場といわれる白物家電の中で、最近注目を集めているのが「食器洗い乾燥機」だ。食器を洗う手間が省けるとあって、主婦を対象にした各種のアンケート調査では、DVDレコーダーや薄型テレビを押しのけて“欲しい家電”ナンバー1の座を獲得している。
たとえば、三洋電機が実施した「家電意識調査」によると、「家族や友人に薦めたくなる、薦められた家電」と「プレゼントしたい/されたい家電」の項目で、ともに食洗機が1位だった。
世帯普及率は14.5%(2004年3月時点)とまだ低いものの、価格は全体的に下落傾向にある。それだけに、他人に勧めたり、贈り物にしやすい家電といえるだろう。「食洗機は、まだブライダルで購入する人が少なく、なにかのきっかけで購入されることが多い。とくに“妊娠中に夫からのプレゼント”“手荒れのひとい私に娘からのプレゼント”などで嬉しかったという意見が多く聞かれた」という。一方、まだ持っていない人も、「“自分で買うのは遠慮があるが、是非欲しいと思っている家電”であることがわかる」(三洋電機)。
贈る側から見ても、食洗機は贈り物としての素質を十分に備えている。最近、田舎の母親に食洗機をプレゼントした弊誌S記者は「実用的で喜ばれるのはもちろんですが、値段の割にサイズが大きくて、見栄えがいいのも大きなポイント」と話していた。なにやらプレゼントの選択基準が不純だが、そうした消費動向を裏付ける証言もある。
ビックカメラ有楽町店で家電コーナーを担当する矢澤久義氏は、「意外かもしれませんが、平日に食洗機コーナーを訪れる人は男性のほうが多いです」と話している。しかも最近では、あらかじめ自宅のキッチンのサイズや分岐水洗の型番を調べてくる用意周到な男性が少なくないという。「仕事に合間に旦那さんが下調べに来て、週末になると御夫婦で買いに来る。そんなケースが増えています」。
今回の特集では、食洗機が気になる男性諸氏に代わり、各社の新製品を“下調べ”してきた。食洗機には、ビルトイン型(SK食洗=システムキッチン用)と卓上型の2種類があるが、今回は後付けが容易な卓上型を取りあげ、基本機能と各製品の特徴を紹介していきたい。
まずは、「気にはなっているが、購入には踏み切れない」という人たちにありがちな、代表的な3つの疑問を検証していこう。
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