「2005 International CES」(米国ラスベガス)で東芝は、3.5インチQVGA(320×240ピクセル)表示の有機ELモバイルビューワーを参考出展している。年内に製品化する予定で、Portable Media Center(PMC)ベースにする可能性があるという。東芝ブースではこのほか、0.85インチHDDを内蔵したデジタルカメラや、HD DVD-ROMのデモも見られる。
展示しているモバイルビューワーは、昨年9月の事業戦略説明会時に展示したものとほぼ同じで、内蔵SDメモリーカードに保存したASF動画を再生している。製品版のストレージは、SDカードではなく1.8インチHDD(20Gバイト以上)になる予定。同社のHDD推進コンセプト「gigastyle」にならった方針転換のようだ。
対応する動画形式については、「検討中だが、PMCベースにし、WMV再生対応を考えている」(説明員)。価格は未定としている。
昨年の事業説明会でモックを展示していた、0.85インチ4GバイトHDD内蔵のデジタルカメラ「Gigashot」試作機も参考展示。5倍ズームレンズと500万画素CCDを備え、MPEG-2動画の撮影に対応する。SDカードスロットを備えた。
Gigashotシリーズとして、1.8インチHDDを内蔵したMPEG-2カメラのモックも展示した。HDD容量は30Gバイトになる予定。10倍ズームレンズと、130万画素程度のCCD、SDカードスロットを備える。
両モデルとも発売時期は未定だが、同社デジタルネットワーク社社長の藤井美英氏はカンファレンスで、「1.8インチHDDタイプは今年夏から秋に出したい」と話していた。説明員によると「0.85インチ4GバイトHDDの開発がかなり遅れており、製品化時期のめどがたっていない。1.8インチHDDモデルが先に出るだろう」。
HD DVDプレーヤー試作機を使ったHD DVD-ROMの再生デモも行っている。H.264(MPEG-4 AVC)映像を再生しながら、別のストリーム映像を重ねたり、リモコンでチャプターメニューを操作できる。コントローラーを使ってゲームを楽しむことも可能だ。
HD DVD-Video規格に盛り込まれる予定のインタラクティブ機能を先取りした。DVDフォーラムではまだ仕様が定まっていないが、「独自技術を採用した」(説明員)。
インターネット接続も可能で、コンテンツをダウンロードできる。オンラインショッピングの利用も想定しているという。
HD DVDプレーヤーは、今年末に1000ドルで発売する計画。HD DVD、DVDともに、再生専用の物理規格(HD DVD-ROM、DVD-ROM)と論理規格(HD DVD-Video、DVD-Video)は確実にサポートするが、DVD±R/RW、DVD-RAMの読み込みをサポートするかは未定だという。「(規格サポートは)やれるところまでやりたい」(説明員)。
ブースにはHD DVDレコーダーの試作機も展示されている。単なるモックではなく「ある程度は動く」(説明員)。
同社初のHD DVDレコーダーとなる同機は、ハイエンド機にする計画だ。「『RD-X5』(同社DVDレコーダーのハイエンド機)の機能をそのままHD DVDレコーダーに移し変えたイメージ」(説明員)。
内蔵HDD容量は未定。同社は、1TバイトHDD搭載レコーダーの発売を近々に計画しているというから、ハイエンド仕様となる初のHD DVDレコーダーにも、1TバイトHDD載せてくる可能性が高い。
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