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話題のフラッシュメモリiPod「iPod shuffle」をさっそくさわってみたレビュー(2/2 ページ)

» 2005年01月12日 11時09分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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 液晶は搭載されていないが、各ボタンの操作を行うと中央ボタンの上に埋め込まれたLEDが緑色もしくはオレンジ色に発光する。この色と発光のパターンで操作の確認が可能になっており、再生や停止の操作をすると「緑が1回」、ホールドの操作をすると「オレンジが点滅」というように反応する。

photo 音量を上げてみた場合。緑のLEDが発光する。逆に音量を下げるとオレンジのランプが点灯する

転送はiTunes 4.7.1以上で――本体側でもスイッチひとつでシャッフル可能

 楽曲の転送にはおなじみのiTunesを利用する。PCのUSBポートに本製品を差し込むと、充電が開始されると共に同期が始まる。

photo 同期時には自動的にオートフィルが起動する。なお、iPod shuffleが対応しているiTunesはバージョン4.7.1以降で、それ以前のバージョンを使用している場合には利用できない旨の警告が表示される

 同期はこれまでのiPodと異なり、「オートフィル」機能によるにランダム同期が基本。本製品を差し込むと自動的にiTunesのオートフィルが起動し、ライブラリに収められている曲がランダムに転送される。iPod shuffleの本体には液晶画面がないため、どのような曲を転送したのかはこのときにPC側から確認するしかない。また、ライブラリ内の曲をランダムに転送する以外にも、iTunesの左柱にあるプレイリストを選択して転送することも可能だ。

photo 同期範囲を選択することもできる

 転送時には「曲をランダムに選択」「オートフィル時にすべての曲を入れ替え」「レートの高い曲の選択頻度を増やす」という3つのオプションを選択することもできる。ランダムではなく、自分で意図したとおりの再生を行いたい場合には、自分でプレイリストを作成後、そのプレイリストを転送元に指定し、「曲をランダムに選択」のチェックを入れずに転送すればいいわけだ。

 このように、iPod shuffleで音楽を楽しむ際には、iTunes側でライブラリをシャッフルした状態で転送することになるのだが、これでは、これまでのiPodで「シャッフル」をONにするのと大差ない。そこでポイントになるのが背面のスライドスイッチだ。

 スライドスイッチは電源スイッチも兼ねるが、スライドを中央にすると「転送されたプレイリストをそのまま再生」、下にすると「転送されたプレイリストをシャッフルして再生」というように再生方法が切り替わる。

 iTunes側でライブラリをシャッフルしたプレイリストを転送、さらに本体側でもシャッフルすることで、ジョブズ氏が製品発表時に述べた「同じ再生を二度としないという新しい体験をもたらしてくれる」という体験を味わえるわけだ。

photo ここがポイントの背面スライドスイッチ。写真は「シャッフルON」の状態

 本製品のフラッシュメモリ容量は上位モデルでも1Gバイトと、大容量化の進むデジタルオーディオプレーヤーのなかでは決して多いとは言えない(下位モデルは512Mバイト)。それに、液晶が搭載されていないので、今どんな曲が流れているのか、ボリュームはどれくらいなのかといった状態をビジュアルで把握することができない。

 しかし、本製品では「シャッフル」を前面に押し出すことで、そうしたこれまではデメリットとしてしか捉えられていなかった部分を逆手にとり、あたかも自分のライブラリからDJが曲を選択してくれるような感覚を提供してくれる。この辺りの割り切り方、発想の転換の仕方はさすが同社製品といえるところだ。

 日本での価格も512Mバイト版が1万980円、1Gバイト版が1万6980円とかなりお手ごろ。クリスマスプレゼントのシーズンには間に合わなかったが、iPod miniとならんで手軽なデジタルオーディオプレーヤーとして人気を呼びそうだ。

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