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コンパクトな“プライベートシアター”――ケンウッド「ES-9DVD」レビュー:フロントサラウンド特集(1/3 ページ)

» 2005年01月27日 10時26分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 ケンウッドの「ES-9DVD」も、前回紹介したビクター「NX-DV3」と同様に、サラウンド再生も可能なシステムコンポである。独自技術の「V.F.S.II」でフロントサラウンド出力を行える。「V.F.S.II」は音響技術開発会社であるSRSとの協業のもと、KENWOODが自社開発したサラウンド回路「V.F.S.バーチャル・フロント・サラウンド」の改良版で、5.1ch音声信号をTruSurround ICで処理している。

photo ミニコンポに小型スピーカーを追加したような構成のケンウッド「ES-9DVD」。MD/DVDプレーヤー内蔵ながら、縦型の本体は横幅は115ミリとスマート

 製品構成も同様で、4ch分のパワーアンプのほか、チューナー、MDレコーダー、DVDプレーヤーを内蔵した本体部と、フロントスピーカー2本、小型のサラウンドスピーカー2本の組み合わせ。ただし、サラウンドスピーカーの設置方法は若干異なり、フロントスピーカーの外側へ少し離して置くのが基本配置となっている。

photo フロントスピーカーは、8センチのコーン型ウーファー、2.5センチのバランスドームツィーターを組み合わせたバスレフ型2ウェイ

 スピーカー配置は3パターン想定されているが、初期設定などで指定するのではなく、サラウンドモードの切替のように、視聴時に本体またはリモコンの「V.F.S.」ボタンを押して、「MUSIC」→「CINEMA 1」→「CINEMA 2」→「CINEMA 3」→「SURROUND OFF」とトグルさせる。

photo サラウンドスピーカーは、密閉型1ウェイ。5センチのフルレンジユニットを使用している。スピーカー側の端子はともにバラで接続するタイプ

 「MUSIC」は5.1ch、2chにかかわらず、音楽ソースに適したモードで、ステレオ感重視で出力される。サラウンドスピーカーの設置場所に関係なく利用できる。「CINEMA 1」は5.1ch音声収録の映画に適したモードで、フロントスピーカーの脇にサラウンドスピーカーを置く、基本的な配置に対応している。

 「CINEMA 2」は、5.1chではない映画の再生や、フロントスピーカーの上にサラウンドスピーカーを乗せるなど、間隔をあまりとれない場合に適する。「ワイド」モードとでもいうべきか。もちろん、サラウンドをリアに置いてもよく、その場合は「CINEMA 3」を選択すればいい

 サラウンド方式はドルビーデジタル、およびDTSに対応。ただし、この製品は2003年10月発売とやや古いため、MPEG-2 AACには非対応となる。デジタルテレビ放送での利用を考えている人は注意してほしい。

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