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全てが新しい〜東芝の新フラグシップ「RD-Z1」登場(2/2 ページ)

» 2005年02月09日 15時03分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 「これまで、われわれのハイエンドモデルは下位機種で培った技術を積み上げる形で開発してきた。しかし、RD-Z1に関してはXシリーズを超えるハードウェアを新規設計し、非常に“コダワリ”のある機体に仕上がった」。

 その開発スタンスは、HDフォーマット対応の最上位機種であるとともに「SDフォーマット最強の機体を目指す」ということ。従来機種から継承した再生系をブラッシュアップすると同時に、記録系にも大胆にメスを入れた。

 再生系回路設計では、ビデオ回路は「RD-X5」、オーディオ回路は同社のハイエンドDVDプレーヤー「SD-9500」がベースになっている。IP変換は、ビデオ素材とフィルム素材の両方で最適な動作を行うART(アドバンスト・リアル・シアター)モードプログレッシブ回路。ビデオエンコーダーには、米アナログデバイセズの「ADV7314」を採用した。

 SD/HDの入出力をサポートするADV7314は、216MHzオーバーサンプリング&量子化ビット数14bitという「最強デバイス」(桑原氏)だ。アナログ処理回路には、HDフォーマット互換の完全DC結合アクティブIV変換ローパスフィルタアンプを「本来は15MHzだが、30MHzまで帯域を上げて」搭載している。

 一方のオーディオDACは、やはりアナログデバイセズ製のハイカレント・マルチビットDAC「AD1955」を採用した。こちらも民生用では最高水準といわれるもので、アナログ処理回路にはアクティブIV変換&バランス受け多重帰還ローパスフィルタアンプを組み合わせている。

 記録回路も“情報量の確保”を徹底した仕様だ。S端子やコンポーネント専用のビデオデコーダー「ADV7402」は、110MHz&12bitの分解能を持ち、SDフォーマットに4倍オーバーサンプリングをかけてA/D変換する。さらにOPアンプ駆動ディスクリート・アンチエイリアス・フィルターを組み合わせ、アナログ入力時の不安定要素を削減した。「録画時に12bit 110MHzというデバイスはかつてない仕様だ」。一方のオーディオ回路も、まず192KHz 24bitでAD変換を行い、デジタル領域で、実際に記録する48KHz 16bitに変換するスタイルをとっている。

 これらのデバイスを搭載するのは、多層構造の銅スルーホールガラスエポキシ基板。ランド部分を金メッキ処理した高級仕様だ。主基板は、DVDドライブや電源などの振動する部材とを独立させたデュアル構造のシャーシにおさめ、アルミ削りだしの大型インシュレーターや大容量電源で回りを固めた。ちなみに電源コネクターは、IEC規格の3芯型のため、「電源を変えたいマニアにも対応できる」(桑原氏)という。

 RD-Z1は3月中旬発売予定。価格はオープンプライスだが、店頭では24万円前後で販売される見込みだ。

photo 前面パネル内にB-CASカードスロットやDV入力端子を装備
製品名 RD-Z1
HDD容量 600Gバイト
光学ドライブ DVD-R/-RW/RAM(マルチ)
チューナー 地上アナログ(GRT)、地上/BS/CSデジタル
EPG WEPG(iNET&ADAMS)、デジタル放送EPG
スカパー!連動
野球延長・ドラマ延長
出力端子 HDMI×1、コンポーネント(BNC)×1、S端子&コンポジット×3(うち1つはデジタルチューナー出力)、D3モニター、i.LINK(TS)、光&同軸デジタル音声出力など
入力端子 S端子&コンポジット×3、D1×1、i.LINK(DV)
本体サイズ 430(幅)×338(奥行き)×115(高さ)ミリ
重量 10.8キロ
価格 オープン(24万円前後)
発売日 3月中旬予定

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