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高い完成度に“ワイド撮影”の新提案――ソニー「DCR-HC90」レビュー:ビデオカメラ特集(1/3 ページ)

» 2005年02月17日 20時54分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 ソニーのハンディカムシリーズは、実に幅広いラインアップを提供している。ハイビジョンモデルから3CCD搭載モデル、さらには、先日発表された超小型の「DCR-PC55」、3CMOS搭載の「DCR-PC1000」など。また、対応するメディアも製品により、さまざまだ。DV、MicroMV、Hi8、さらには、DVD-R/RW。

 今回紹介する「DCR-HC90」は、ペ・ヨンジュンがCMをしていた、タテ型ハンディカム「DCR-PC350」と同じクラスの331万画素CCDを採用。DCR-PC350では画素数が高いだけでなく、1/3型という大型CCDを搭載しているのが特徴だったが、DCR-HC90でも同様。有効画素数は動画撮影時が205万、静止画で305万となる。

photo 小型・軽量ながら、1/3型331万画素CCDやワイド液晶モニタなど、充実した機能を搭載するハンディカム「DCR-HC90」

 また、ワイド撮影に最適化されているのも特徴だ。単なるワイド撮影なら、ほかの多くのビデオカメラでも対応しているが、液晶モニタ自体を16:9(2.7型)タイプとした。あくまでもワイド撮影がデフォルトで、本体のワイド切換ボタンで4:3“にも”対応するというスタンスだ。さらに、液晶にタッチパネルを採用しているのも、ソニー製品の特徴といえる。

photo 液晶モニタは16:9の2.7型で、液晶ドット数は12.3万(ファインダーも同じく12.3万ドット)。透過型と反射型の両方の特性を備えたハイブリッド液晶を採用しており、日差しの強い場所でも視認が可能

 レンズは例によってカールツァイス。レンズ表面に多層膜コーティングを施し、光の乱反射を抑えたバリオ・ゾナーT*(ティースター)レンズだ。手ブレ補正は光学式ではなく、新アクティブイメージエリア方式。いわゆる電子式だが、もとのCCDの性能が高いこともあり、画質の劣化は特に見られなかった。

 この製品はバッテリーパックを本体内に収納するタイプで、その分、ボディはややずんぐりとはしているが、全体には非常にコンパクトに仕上がっている。手に収めたときにも、中央に重さが集中しているおかげで、非常に取り回しやすい。

photo カードタイプのバッテリーは、本体内に収納される。サイズは幅47.2×高さ6.8×奥行75.5ミリと薄型。分単位での残量表示ができるインフォリチウム機能も、もちろん搭載している。また、別売の高容量タイプ「NP-FA70」も高さが9.8ミリになるのみで、本体内に収まるタイプ
photo バッテリー収納部の隣にはメモリースティックDuoスロットがある

 外形寸法で見ても、66(幅)×91(高さ)×110(奥行き)ミリと、多くのシューティングタイプのカメラよりは、むしろ、タテ型の「DCR-PC350」(57.3×107.3×106.7ミリ)に近い。重量も本体440グラム、バッテリーとメディアを足した撮影時で510グラムと、ほぼ同じだ。

photo いちおうシューティングタイプに分類されるはずだが、いっそうの小型化と、バッテリの本体内収納により、むしろタテ型ハンディカム「PC350」に近いサイズ

 バッテリーパックは薄型で、製品に付属する標準タイプ「NP-FA50」であれば1時間半弱、別売の「NP-FA70」では2時間半程度の連続撮影が可能だ。小型バッテリでは、駆動時間が気になるところだが、このレベルであれば問題はないだろう。

 バッテリー収納部には、スライドしてから開く構造のカバーがついている。このカバーはホワイトで、若干透ける素材になっているが、内部が判別可能というほどではない。これはバッテリー収納部だけでなく、メモリースティックDuoスロットも並べて配置されているためで、メモリ読み書き中にアクセスランプ(カバーに[A]と書かれている箇所の下)の点灯が認識できる。

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