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無線音楽伝送をスタイリッシュに――「Rio LIVE air」レビュー:ユビキタス音楽環境のススメ(3/3 ページ)

» 2005年02月21日 15時50分 公開
[浅井研二,ITmedia]
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 あらかじめスキャンして、平均/ピーク音量を分析させておく必要はあるが、補正用情報はデータベース(あるいはタグ)に書き込まれるだけで、オリジナルの音楽データに手が加えられる心配などない。

 たとえば、この「foobar2000」の場合なら、Preferences内の「Output」で、Deviceを「Rio Live Air PSP-200TX」に設定しておけばいい。問題なく音楽が再生されるだろう。

photo foobar2000のPreferencesで出力デバイスを「Rio Live Air PSP-200TX」に設定

 スピーカーシステムの音質は、PC用スピーカーとしてはまずまずという部類に入ると感じた。SBC変換や無線通信による劣化もほぼなく、クリアな音質だ。ただし、音域は少し狭いような印象がある。これはユニットが上を向いているためかと思い、見下ろす位置で聴いてみるとかなり改善された。やはり通常の視聴位置では高音域が聴こえづらかったようだ。

 たとえば、ハイハットであれば打撃音は聴き取れるものの、響きが届いてこない。スピーカーに取り付けるアクリル製のリフレクターが付属するのだが、この効果がいまいちなのかもしれない。また、サブウーファー内蔵ながら、低音の存在感は控えめだ。

 とはいえ、きわめて音が悪いというわけではなく、スタイルや商品コンセプトから想起されるレベルよりも、実際の音質はいい。なにより、ワイヤレス化環境はやはり快適だ。

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 次に、トランスミッターを1階のリビングに置いたまま、受信機とスピーカーを2階の寝室へ移動させてみた。仕様では到達距離は8メートル以内とされているが、どれくらい届くのだろうか、と。結果としては、問題なく音楽が伝送された。音質も近接の場合とまったく変わらない。角度や周囲の状況によって通信状況が悪くなることもあるが、たいていの場合は一瞬途切れるだけですむ。双方のドアを閉めてしまっても、特に変化はない。

 ただし、やはり2.4GHz帯無線LANの影響は大きく受けるようだ。近くに無線LAN機能をオンにしたノートPCがあるだけなら特に問題はないが、たとえば、Internet Explorerでページ再読み込みを行うと、そのデータ送受信に合わせて、音声にノイズが入る(正確には、信号がガガガと断続的に途切れる)。

 いちおう、適応型周波数ホッピングの変調方式で、混信を防いでいるとのことだが、実際の使用ではあまり効果を発揮してくれないようだ。距離を離した場合だけではなく、至近距離で通信している場合でも同様に影響を受ける。

 全体的には満足のいく出来だが、欲を言うなら、スピーカーユニットから音を鳴らすだけでなく、部屋によっては、ステレオへ接続できるよう、受信機に外部出力もあると、より利用場面が幅広くなったと思う。しかし、ごく手軽にオーディオのワイヤレス化を行いたい人にはもってこいの製品といえるだろう。トランスミッター、スピーカーユニットともにスタイリッシュで、質感も上々だ。

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