たとえばフラッシュメモリタイプのオーディオプレーヤーでは最大手のiRiverは、1インチ5GバイトHDを採用したH10が一定の成功を収めた。同社のプレーヤーは、機能面やスペックなどハードウェアの面では優れているが、ソフトウェアの面ではユニークさを出せていなかった。ハードウェア面が成功の鍵であることは間違いないが、EMDサービスやソフトウェアの強化で足下を固める(「iRiverが狙う“次の一手”」を参照)。
親会社のレインコムがSamsung製半導体の大手ディストリビュータというメリットを生かして伸びてきた彼らにとって、HDDというのはコスト高なコンポーネントだ。しかし、今後は用途ごとにHDDタイプの提案も強化していくという。
その手始めに、H10の5Gバイト版発表会で参考出展されていた20Gバイト版のH10を発売するようだ。見た目のデザインは5Gバイト版とそっくりで操作性も同じ。異なるのはサイズとカラー液晶パネルである。20Gバイト版H10には1.8インチ26万色表示のカラー液晶パネルを採用している。
同じ韓国企業でiRiverを追いかけるiAudioは、HDDプレーヤー「iAudio X5」を出展ブースに多数並べていた。H10と同じくカラー液晶パネル(1.8インチ160×128ピクセルTFT)を搭載し、写真表示なども行え、デジタルカメラからの画像転送や表示も可能。FMラジオやボイスレコーダーなど、韓国製プレーヤーでは定番の機能も備える。内蔵HDDは20Gバイト、40Gバイト、60Gバイトの3種類を用意。またWMA、MP3のほか、Ogg Volbis、FLACの再生も行えるほか、独自形式のビデオ(毎秒15フレーム)も再生できる。
両社ともより高い付加価値を求めて、シンプルなフラッシュメモリ型プレーヤーからの脱却を模索している。デザイン面でもここ数年で大幅に改善されてきており、新製品は各社とも従来モデルに比べて質感向上が著しい。
一方、携帯型デジタルプレーヤーでは先駆者でもあるCreativeは、好調が伝えられるZen MicroとMuvo Microを全面に出した展示だったが、訴求ポイントは機能よりもカラーバリエーション。10色の本体カラーに合わせた周辺機器を並べていた。機能を増やすのではなく、一目でわかる他社との違いをアピールする。
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