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“気軽に使える”一体型キー構造〜新ネットワークウォークマン(3/3 ページ)

» 2005年03月17日 17時39分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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 本体前面がスイッチとなっている一体型キー構造を採用しており、にぎり込むようにして持つと、親指1本で「再生・停止」と「早送り・早戻し」が行える。左側面のスイッチを切り替えることで、早送り・早戻しボタンは「ファイル(1曲単位)の選択」「グループ(アルバム)の選択」として機能する。

photo 親指を滑らせるだけで「早送り・早戻し」「再生・停止」の各操作が行える
photo 左側面のスライドスイッチで「ファイル(1曲単位)の選択」「グループ(アルバム)の選択」を切り替える

 一体型キー構造の操作感は非常に快適。本製品を右手に持てば「再生・停止」ボタンがちょうど親指にかかるうえ、「カチッ」という適度な押し心地もあるので、押したのか押していないのか分からないということはない。また、「再生・停止」ボタンはヘッドフォンコネクタの真下に位置しているので、本製品をポケットに入れたまま手探りで操作しても、押し間違えることはないだろう。

 多機能化が進む小型フラッシュメモリプレーヤーにしては珍しいが、単純に転送後、再生を行うだけならば「MENU」キーを押す必要はない。MENUキーからはビープ音のON/OFF、時計設定、イコライザ、音漏れを押さえる「AVLS」などの設定が行えるが、音楽再生に最低限必要な機能の操作ボタンはすべて「MENUキー」からは独立してアサインされているため、「まずはメインメニューを呼び出して、音楽再生を選んで……」などという手間はいらない。“音楽プレーヤー”としての機能に割り切ったからこその、シンプルな操作インタフェースといえる。

 iPodなどは再生時に「アルバム名」「アーティスト名」「曲名」「ジャンル」「プレイリスト」など幅広い選択肢から選曲できるが、本製品はプレイリストもしくはアルバム単位での再生が基本になる。MD(CD)チェンジャーつきのカーオーディオを操作する感覚と言えば近いだろうか。これならば再生時の操作に戸惑いを感じることも少ないはずだ。

 こう言うと操作の自由度が低いように思えるかもしれないが、多くの選択肢から快適に選曲するにはどうしても大型の表示装置が必要になり、大型の表示装置を備えることは小型軽量というフラッシュメモリタイプのメリットを損ねることになりかねない。

 アーティストごとという選曲方法が用意されてないのは少々残念だが、筆者個人としてはアルバム単位で再生することがほとんどなので、再生方法をアルバム、もしくはプレイリスト単位の再生のみと割り切った点は高く評価したい。


 NW-E1xxシリーズの製品ラインナップは、今回試用したNW-E103のほかにも、1Gバイトのメモリを搭載する「NW-E107」と512Mバイトのメモリを搭載する「NW-E105」が用意される。価格はいずれもオープンだが、実売想定価格はNW-E107が2万円前後、NW-E105が1万4000円前後、NW-E103が1万円前後になる見込み。

 iPod mini(4Gバイト)が2万円弱に値下げされるなど、安価なHDDタイプと大容量フラッシュメモリタイプと価格帯が接近しつつある今、フラッシュメモリタイプは容量ではない部分をアピールしていく必要がある。そんな中、「本体の小型軽量さ」と「分かりやすい操作性」を兼ね備えた本製品は、フラッシュメモリタイプが今後目指すべき方向のひとつを指し示しているように思える。

photo 液晶はカラーではないが、バックライトを備えており認識性は高い
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