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ミラーフェイスの光る奴――松下「SV-SD100V」レビュー(4/4 ページ)

» 2005年03月28日 12時51分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 SV-SD100Vは、USBストレージクラスをサポートしているため、USBケーブルでPCと繋げば、オフィス文書などの一般的なファイルもSDカードに保存して持ち歩くことができる。ただし、MP3ファイルをそのままコピーしても再生できない。PCから曲を転送する際は、同梱ソフト「SD Jukebox Ver.5.OLE」が必須だ。

photo USBケーブルでPCと接続し、エクスプローラを開いたところ。容量に余裕があれば、一般的なPCファイルと共存可能。ちなみに「DCIM」は、松下製デジカメで撮影した写真のフォルダだ

 SD Jukeboxは、CDや手持ちのMP3ファイルなどをSDオーディオフォーマットに変換して転送するほか、プレイリストの作成や楽曲の管理が行える。基本機能は従来通りで、SDカードへの転送が「start」ボタンのワンクリックだけになるなど、ユーザーインタフェースに若干の変更が加えられた程度だ。対応OSは、Windows 2000/XPのみで、Mac OSはサポートしていない。

pphoto インタフェースはわかりやすい。画面下の「SDカードにプレイリストを作る」にチェックしておけば、自動的にプレイリストを作ってくれる
photo CDからの楽曲取り込み。HDDとSDカードへの保存を一括して行える(クリックで拡大)。もちろん、インターネット経由で楽曲情報を取得可能だ
photo SD Jukeboxの特徴でもある「Musicsommelier」(ミュージックソムリエ)。楽曲のテンポなどを見て“印象マップ”に整理し、プレイリストを自動作成してくれる。大量の楽曲ファイルからプレイリストを作るときに便利だ

 今回の新製品の場合、ポイントになるのはミニコンポとの連携機能だろう。SDカードスロットを備えた「SC-PM910DVD」と「SC-PM710SD」なら、PCを介さずにCDからAACへのフォーマット変換&転送が行える。今回は時間の都合で検証できなかったが、機能の概要だけ紹介しておきたい。

photo 写真は「SC-PM910DVD」

 CDから楽曲をSDカードに取り組む場合、LP(長時間)、SP(標準)、XP(高音質)という3つ録音モードがある。ビットレートはそれぞれ64kbps、96kbps、128kbpsで、ダビング時間は実再生時間の1/3から1/4。たとえば74分間のCDなら、約19分でSDカードへの書き込みが終わるという。赤外線インタフェース付きのiモード端末(505iシリーズ、900iシリーズなど)と、ナノメディアが提供する「アプリモコンポ」があれば、楽曲情報を付加することも可能だ。


 松下電器産業では、新しい「D-Snap Audio」シリーズを「軽量コンパクトで、“音飛び”がないポータブルオーディオ」としてプッシュしていく方針だ。PCとシリコンオーディオの世界では数年前によく聞いたフレーズだが、ミニコン連携によって非PCユーザー層という新しい市場が視野に入ってきた今、改めてシリコンオーディオプレーヤーのメリットを打ち出すことにも意味はあるだろう。ポータブルCD/MDプレーヤーからの買い換え層には、PC前提のオーディオ機器と比べて分かりやすく、訴求力も高い。

 実際、製品としての完成度は高く、ミニコン連携の容易さも魅力的だ。SDカードが付属しない点を除けば、初心者に極めて優しい製品といえる。iPod全盛の状況で、新しい「D-Snap audio」シリーズがどこまで市場を獲得できるのか。今後の市場動向も気になるところだ。

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