いまや、PCにテレビ視聴・録画機能が装備されているのは当然ともいえる時代。一人暮らしの部屋や、家族が集うリビングルームに最適な、テレビやビデオレコーダーとしての役割も果たすPCも数多く発売されている。それゆえ、PC用ディスプレイには、もはやビデオ入力は必要ないといってもいいだろう。
しかし、これは標準ビデオ(SD映像)にかぎった話。ハイビジョン放送を視聴/録画できるPCはほとんどない。したがって、リビングに1台のディスプレイだけを置き、PC利用とハイビジョン視聴を両立させたいとしたら、D3/D4入力とワイド画面を採用したPCディスプレイ、あるいは逆に、PC入力を装備したハイビジョン対応テレビを探す必要がある。
もちろん、HDCP対応DVI端子の普及により、PCだけでなく、ハイビジョン映像信号でもすでにデジタル入出力が可能だ。ソニーのVAIOフルHDディスプレイ「VGP-D23HD1」ならば、オプションのVAIOデジタルTVユニット「VGP-DTU1」を追加して、地上・BS・110度CSデジタル放送の信号をHDCP対応DVI経由で送り込める。つまり、ハイビジョンをフル解像度(1920×1200)で表示可能な組み合わせだ。ただし、上記の機器だけで50万円近くしてしまう。
デルの「UltraSharp 2405FPW HAS」は、15万7500円という低価格ながら、1920×1200ピクセルという高精細表示が可能な24インチ・ワイド液晶(画面アスペクト比は16:10)を搭載したPC用液晶ディスプレイである。コンポーネント端子を装備し、ハイビジョン表示も可能。ただし、DVIはHDCP対応ではないので、ハイビジョン映像は実質的にアナログ(コンポーネント)経由のみという点は残念だが、それでも、ある程度の高精細表示は期待できるだろう。
ほとんどの液晶テレビや液晶プロジェクターでは、縦768(または720)のパネルを採用している。液晶はもともとプログレッシブ、つまりノンインタレース方式で走査を行っているので、720p(つまり、D4)入力には最適といえる。しかし現在、国内のハイビジョン放送には1080i(D3)しか存在しない。そのため、画素変換処理が行われているが、1920×1200の液晶パネルなら、基本的にはプログレッシブ変換だけですみ、より高品位での表示が可能なのではなかろうかと、期待を抱いてしまうわけだ。
デルでは、マルチメディアモニタの位置づけで「W2600」「W1900」という製品も発売している。こちらの場合は、パネルこそ一般的な1280×768となるが、PC入力とD4入力を兼ね備えるのはもちろん、アナログ地上波TVチューナーやステレオスピーカーも装備ずみだ。特に「W2600」は26インチワイド液晶ながら、13万2000円で購入可能とコストパフォーマンスは非常に高く、しかも、HDCP対応のDVI入力を備えるなど、仕様的には注目に値するのだが、それはひとまず横へ置いておいて、製品写真で見る印象は液晶テレビに近い。
一方、スピーカーを内蔵しない「UltraSharp 2405FPW HAS」の外観は、まさしくPCディスプレイで、狭額ベゼル仕様の本体に、専用スタンドが付属している。接続端子はDVI-D、および、アナログRGBの2系統のPC入力のほか、前述のとおり、コンポーネント(D端子ではなく、Y/Pb/Prピン)、そして、Sビデオ、コンポジットの3系統の映像入力を装備。合計で5系統ということになる。
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