日立グローバルストレージテクノロジーズ(HGST)は、垂直磁気記録技術を採用した大容量HDDを2005年より市場へ投入すると発表した。この技術を用いることによって、1平方インチあたり230Gビットの記録を行うことが可能になり、3.5インチHDDで1Tバイト、1インチHDDで20Gバイトという記憶容量を実現する。
垂直磁気記録方式は磁石をディスクに対して垂直に配列して記録する方式。従来の記録方式である面内記録方式に比べ、面密度が向上することによって、同一のサイズでも記憶容量をアップさせることが可能になる。
同技術を搭載した100Gバイトの2.5インチHDD(4200rpm、ATAインタフェース、2プラッタ構成)はすでに昨年12月からフィールドテストに入っており、今年中には120Gバイトの容量を持つ製品として市場へ投入される。価格についても、現在の価格容量比から大きく外れることはないようだ。
まずは2.5インチHDDから製品が投入されるが、3.5/1.8/1.0インチの各製品にも垂直磁気記録技術が投入される。「まずは2.5インチから製品化し、技術の確立が進んだところでほかのサイズへも導入を進める」。同社 シニアディレクタ ワールドワイド アドバンストテクノロジ ラボラトリの高野公史氏は、具体的な製品化の時期については明言を避けたものの、2.5インチHDD以外の製品についても前向きな姿勢を示した。
近年、HDDレコーダーや音楽プレーヤー、ビデオカメラなど、PC以外へもHDDの搭載が進んでいるが、同社では、2008年ごろにはさらにその搭載が進み、HDD市場全体においても情報家電向けが出荷全体の30%を占めるほか、マイクロドライブやカセット式HDD(iVDRなど)の外部ストレージ向けが10%を占めると予想している。
発表された技術を用いることによって、1インチのマイクロドライブでさえも20Gバイトの容量を持つことが可能になることから、「コンシューマ市場で期待される“小型/大容量”を武器に切り込んでいきたい」と高野氏は意気込みを語る。
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