「今週のTheater Styleのお題は“スピーカー”でお願いします。ホームシアターでどんなスピーカーを選べばいいのか、個人的にもすごく知りたいし……」と、神の声(編集部からの声)が降りてきた。
いや、困った。スピーカーほどバイヤーズガイドが書きにくい素材もないからだ。
スピーカーは現在のAV機器で、もっともアナログなモノのひとつ。スピーカーを変更すると音の傾向が大きく変化してしまう。それゆえに個人個人の好みの差も激しくなる。新品で購入すると、エージングが終わってきちんとした音色が出るまで時間もかかるため、第一印象では決めにくい面もある。
ということで、一般論と個人的な意見、好みを書き分けながら、いつも以上に慎重に話を進めていきたい。
先週、ホームシアターセットからステップアップするなら、ということでAVアンプについてカンタンな情報を記した。アンプの能力が向上すると、それまで使っていたスピーカーの能力がより引き立ち、ランクアップしたように感じる場合も少なくない。
スピーカーに電流を供給し、ユニットを動かすエネルギーを供給しているのがアンプなのだから当然と言えば当然。言い換えると、スピーカーを変更する場合は、それに見合った駆動力(電力の供給能力)を持つアンプも用意しなければ、単に音色が変化するだけで能力を引き出せないということだ。
エントリーユーザー向けのホームシアターセットのAVアンプが、すべて非力というワケではなく、たとえば原理的にデジタル方式のアンプは、低価格でも駆動力には優れている事が多いはず。ただ、いずれにせよコスト最優先で作られているため、スピーカーを変更する場合はAVアンプの構成も変えなければならないかも? と、ある程度は覚悟をしておいた方がいい。
さて、ここからは個人的な考えになるが、AVシステムの音響面のグレードアップを図りたいなら、まずはスピーカーを決めるところから始めるようにしたい。スピーカーの変更はなまじ変化が多いだけに、コロコロと買い換えるAVファンも少なくない。
しかし、ある程度の質と好みの音色を持つスピーカーなら、アンプをグレードアップすることで能力を引き出してあげる方が、より良い結果が得られる場合も多い。少なくとも音楽を高音質で楽しみたいと考えているなら、やや予算をスピーカーに多めに割り振り、10年は買い換えずに使うつもりで選びたい。
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