薄型デジカメが流行っている。
デジカメ関係の展示会を歩いても、カードタイプの薄型デジカメをアピールするメーカーが非常に多い。だが光学ズームレンズの搭載が当たり前となっている現在、本体の薄型化とズームレンズを両立するためには、光学系の薄型化は避けて通れない。
プリズムやミラーを使って光を曲げることで非常に小型なレンズシステムが可能となる屈曲光学系レンズは、2002年初頭にコニカミノルタ(当時はミノルタ)が発売したDiMAGE Xシリーズが有名だ。また、ペンタックスが2003年に開発したスライディング・レンズ・システムは、レンズ収納時に中央のレンズブロックが上にスライドして上下2段に収めることでズームシステムを薄型化。薄型デジカメの先駆者であるカシオ計算機のEXILIMも、このスライディング・レンズ・システムを採用してズーム化に成功したという例もある。
だが、近年はこのようなレンズシステムを自社内で開発して、薄型化に取り組むメーカーが増えてきた。今回レビューで紹介するソニーの「DSC-T7」もその中の1台だ。
DSC-T7のセールストークは「ついに1センチを切った高画質」。実際のカタログ上の寸法は91.7(幅)×60.2(高さ)×14.7(厚さ)と1センチ以上なのだが、これはスライド式レンズカバーを含めたサイズ。ベースの本体部は最薄部が9.8ミリと、しっかり1センチを切っている。レンズカバーは本体にチョコンと乗っかっているカタチなので、実質「厚さ9.8ミリ」といってもさしつかえないだろう。
実際に手にした印象は「うっ、薄いっ!」(そのままだが……)。ファーストインプレッションでは、2002年に業界を震撼させた初代EXILIMを手にした時の驚きが脳裏をかけめぐった。ただし初代EXILIMは厚さ11.3ミリでレンズは単焦点。一方、DSC-T7は35ミリ判換算で38〜114ミリ相当の光学3倍ズームレンズを搭載している。採用した光学系はソニーの“初代薄型”DSC-T1と同じ自社開発の屈曲光学系レンズシステムだ。
レンズシステムが内蔵されている本体部分をよく見ると、厚さが最大となっているレンズカバー部をうまく利用して収めているのが分かる。レンズカバーの外見はフラットなのだが、内側ではレンズシステムの部分だけ薄くしているのだ。このあたりのボディデザインの秀逸さは、さすがソニーといったところだろう。
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