パイオニアが春モデルとして発表したDVDレコーダー「DVR-530H」。姉妹製品の「DVR-555H」と合わせ、やはり注目を集めているのはDVD-R DLへの対応だろう。
DVD-R DLは、PC向けのレコーダブルDVDドライブでもようやく対応ファームウェアの提供や対応済みドライブが登場し始めた時期であり、また初めて対応する民生機が普及モデルだったことで、ちょっと意外な印象も受けた。レビュー後編では、DVR-530HのDVD-DLサポートをじっくり検証していきたい。
「DVR-530H」では、DVD-R DLメディアに対して、HDDに録画した番組のダビングやダイレクト録画などが可能だ。書き込み速度は最大4倍速(PC表記)。どうやらシーケンシャルライトで書き込んでいるようで、直接録画する場合は1層目と2層目の切り替えポイントでタイトルが分割される制限があるほか、レイヤーの切り換え時に映像が一瞬止まる可能性が同社Webサイトでアナウンスされている。
評価時にはDVD-R DLメディアが未発売だったため、三菱化学メディアから提供して頂いたメディアを利用して、8.5Gバイトほぼ一杯へのダビングを行った。ダビングに要した時間は26分59秒、ファイナライズに2分20秒と、PC表記で4倍速相当の書き込み速度がきっちり出ている。DVD-R DLメディアにはSPモードであれば3.5時間録画できるので、録画時間に対して約7.7倍速でダビングできる計算だ。
DVD-Rへのダビングは最大で12倍速、DVD-RWメディアのダビングが最大6倍速(それぞれPC表記)となり、従来製品よりも高速化されている。今回はマクセル、That'sブランドの16倍書込み対応DVD-Rメディアを用いて検証してみたが、メディアほぼ一杯への書き込み速度は従来(8倍速書き込み)と比べて大幅に短縮されているわけではない。もっとも、8倍速以上の書き込みの場合、数値がリニアに書き込み時間に反映されるわけではないので、仕方のない部分ではある。
DVR-530Hは「最大100倍速ダビング」を謳っているが、DVD-Rメディアには最大で約13時間の録画が可能なので、実測でも約95倍速、ファイナライズを含めても約84倍速ダビングということになる。
むしろ注目して欲しいのは自社開発ドライブの書き込み品質だろう。あくまでPCを用いた簡易測定環境ではあるが、マクセル、Thst'sブランドメディアともに内周から外周までむらなくエラーレートが低く、とくにマクセルメディアではPIエラーが平均4.58と極めて優秀だ。筆者の知る限り、この書き込み品質は現行のDVDレコーダーではベストといえる。
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