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“軽薄小速”プラス「防水」――ペンタックス「Optio WP」レビュー(3/4 ページ)

» 2005年04月28日 22時12分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 MENUボタンを押すと液晶モニターにメニューが現れる。

 基本はフルオートだが、ホワイトバランスにはカスタム設定があるし、シャープネス・彩度・コントラストの強弱も設定できる。AFは9点測距で測距ポイントを緑の枠で表示してくれるのよい。

もっとも特徴的で楽しいのがこの撮影モード。十字キーの下を押すと出てくる。全部で20個用意されている
ひとつひとつのモードにはこのようにガイドがついていて、オンラインヘルプ的に使えて便利。これはよい機能だ
メニューはタブで撮影メニューと初期設定メニューに分けられている。全部で3ページだが上位モデルに比べるとシンプルなものになっている。

 面白いのが派手な撮影モード画面。撮影モードはプログラムや動画、パノラマアシストを含めて20個。水中モードは水の青さを重視した写りになるし、ペットモードでは黒や白といった毛の色に合わせた露出で撮れたり、動くペットに合わせて自動追尾コンティニアスAFになったりする。自動追尾AFはペットモードとスポーツモードで自動的に働く機能だ。シンプルな背景+ペットという構図ではかなり役立ちそうだが、複数の人間がフィールドにいるスポーツではつらそうである。

 液晶モニターは2インチと十分なサイズだが、8.5万画素とちょっと粗めなのが残念。省エネのため、ちょっと触らないとすぐバックライトが暗くなるが、これはボタンを押したりシャッターを押せばすぐ復活するので問題はないだろう。

 一応微反射タイプで屋外での見づらさに対処しているが、それでも晴天下での視認性はいまひとつよくない。やや残念な点だ。

 液晶モニターはオフにすることも(光学ファインダはないが)、リアルタイムヒストグラムを表示することもできる。ヒストグラム表示時は、自動的に白トビ・黒ツブレ表示機能が働くので、モニターを見ながら白トビや黒ツブレを防ぐことが可能だ。

 面白いところでは、時計機能。電源オフ時にOKボタンを長押しすると画面に10秒間だけ時計が表示されるのだ。ちょっと時間を知りたいときに使える。

底面をあけるとメディアスロットとバッテリー。さらにDCコネクタやPC/AVコネクタが現れる。防水処理の関係上、すべてが一カ所にまとめられているのだ。

 バッテリーは薄型の710mAhタイプのリチウムイオン充電池で撮影可能枚数はCIPA規格で約180枚。多くはないがこのサイズを考えればしょうがないところか。記録メディアはSDカードだ。

日常からアウトドアの非日常まで幅広く楽しめるコンパクト機

 そんな感じで、雨や水辺で気にならないどころか、洗えるどころか、1.5メートルまでなら水中での撮影もできるほど気を遣わずにアウトドアで楽しめる。また3倍ズームコンパクトでありながら、日常生活の中で持ち歩いても違和感がないサイズとデザインと使い勝手を持つという、日常でも非日常でも使えるデジカメである。今までの防水・防滴系デジカメは日常使いにちゅうちょするゴツさを持っていただけに、このスマートさはありがたい。

 個人的には屋外での液晶モニターの視認性と、ちょっと地味目で増感すると素直にノイズが出る画質が気になるくらいだ。

 実売価格はちょっと高めだが、水中に突っ込んで撮ってもOKなコンパクト機はなかなかなく面白い存在である。

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