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喧騒を忘れさせてくれる?――逆位相で騒音低減〜ソニー NCヘッドフォンレビュー:ノイズキャンセリングヘッドフォン特集(2/3 ページ)

» 2005年05月02日 21時03分 公開
[浅井研二,ITmedia]
photo 単4形電池1本を使用。電池持続時間はアルカリ電池使用で約40時間。電池が切れるとノイズキャンセリングは働かないものの、電源スイッチをオフ側にすれば音は出る
photo 本体部にはスライド式の電源スイッチのほか、音量調整用のダイヤル(写真手前)を装備。電源オフ時でも音量調整は可能

 「MDR-NC11」以降のモデルは使ったことがなかったので、楽しみにしていたのだが、なにかどうもしっくりとこない。イヤホン部分がかなり小さくなり、イヤピースも3サイズ付属して、より耳にフィットしやすくなったはず。しかし、自分の耳には「MDR-NC10」のほうが快適だった印象だ(装着時に多少のコツが必要なのだが)。

photo イヤピースは交換可能で、大・中・小の3セットが付属している

 実はこれらの製品では、決してノイズキャンセリング機能だけで騒音を低減させているのではなく、イヤピースの密閉性にも頼っている。というより、むしろ、後者の効果のほうが大部分で、それに電子回路が多少の上乗せをしてくれる感じだ(ただし、航空機でのフライト時など、環境音が大きいほど、この上乗せが効いてくる)。そのため、装着がしっかりできるか、しっくりくるかどうかは、非常に重要な要素となる。

 音質に関しても低音がやや重くなり、音の立ち上がりも少し悪くなった印象。イヤピースが耳に合っていないと、さらに音質は下がるので、しっかり選ぶべきだ。無音時でもFMラジオのようなホワイトノイズがごく小さな音で出ているのは「MDR-NC10」と同様だが、多少は低減されている。ケーブルに関しても問題はなさそうだ。また、「MDR-NC10」では近くの人の携帯電話へ着信があっただけで、盛大なノイズを拾っていたが、「MDR-NC11A」では本体部の至近距離(10センチとか)で通信しないかぎり問題はない。

 ノイズキャンセリングヘッドフォンの中では、インナーイヤータイプは貴重な存在といえる。通常のヘッドフォンタイプと比べると、よりカジュアルに使えるのが利点だ。しかし、イヤピース自体の遮音性にも依存している点を考えると、競合するのは、むしろ、カナル型(耳栓型)だと誰しも気づくだろう。低価格のカナル型では音質に不満があるが、SHUREなどの高級タイプには手が届かない。そんなケースなら、この「MDR-NC11A」を、選択肢の1つに入れてもいいだろう。


 一方、「MDR-NC50」は密閉型ヘッドフォンにノイズキャンセリング機能を搭載した製品。大きさも本格的だが、その分、ハウジング部分にマイクや単4形電池を内蔵しており、取り回しはかえってしやすい。また、接続コードは取り外しできるため、音楽を聴く用途だけでなく、単なる「耳栓」としても利用可能だ。もちろん、こうしたタイプの例に漏れず、挟み込む力は少なからずあり、両耳に多少の圧力がかかる。

photo 高度なノイズキャンセリング機能を内蔵した密閉型ヘッドフォン「MDR-NC50」。“周囲からの騒音を約1/5に低減”とうたっている(MDR-NC50は1/3)

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