ノイズキャンセル性能はなかなかのもので、たとえば、階段を上り下りしても自分の足音はほとんど聞こえない。インナーイヤータイプのように骨からの伝導を増幅させてしまう構造ではないというせいもあるが、それ以前に、性能自体の差が大きいようだ。
製品には0.5メートルと1.5メートルの2種類の接続ケーブルが付属。再生機器側のリモコン有無などに応じて選べばいい。また、長いほうのケーブルは片端がL型プラグになっている。そのほか、キャリングケース、航空機用プラグアダプタ、ステレオ標準ジャックへの変換アダプタも同梱「MDR-NC10」では装備していたものの「MDR-NC11A」では省略されたMONITORボタンもある。これは押している間、再生音をミュートし、さらにマイクから拾った音をスルーしてくれるもの。単に機能をオフさせるよりも外部音が聞き取りやすいので、たとえば、電車内ならアナウンスを聞きたい場合に使用すればいい。また、無音時でもホワイトノイズはほとんど気にならない。たしかに、このレベルであれば、遮音だけの用途でも使えそうだ。
再生機器との接続ケーブルは取り外し可能なので、単に遮音したい場合には便利。左側のハウジングには、この接続端子のほか、MONITORボタンも配置されている。一方、右側のハウジングの下側には電源スイッチがあるさすがに価格差が感じられるというわけだが、音質面に関しては残念ながら、価格を考慮すると、あまり満足のいく内容とはいえない。極端に言えば、やや薄いというか、小型スピーカーから出る音を聞いているような印象。とはいえ、ボーカル単体などであれば、そこそこ聴けるのだが、分離がよくないので、複数の楽器が鳴る場合はちょっとつらい。それに、電池が少しでも消耗すると、音質にもろに影響してくる気がする。
また、前述のように、接続ケーブルが抜き差し可能な点は利便性を高めているが、その半面、抜けやすく、接触不良にもなりがちというデメリットも生じている。音量調整がないのは再生側でカバーすればいいが、出力はかなり低めだ。
現在、ノイズキャンセルヘッドフォンは低価格からハイエンドまで、幅広い製品が存在。次回以降でこれらを取り上げていくのだが、その中でこの「MDR-NC50」はミッドレンジに位置する製品といえる。しかし、ノイズキャンセル性能は十分に高いものの、音質面ではやや不満が感じられた。決して「耳栓」用途のみに重点を置いたわけではないとは思うのだが……。
ソニー、騒音を1/5にするノイズキャンセリングヘッドフォン
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