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東芝、片面3層記録で45GバイトのHD DVD-ROMを開発

» 2005年05月11日 09時36分 公開
[ITmedia]

 東芝は5月11日、片面3層の記録層に45Gバイトを記録できる再生専用(ROM)ディスクを開発したと発表した。片面にハイビジョン映像約12時間分を収録できる。HD DVD-ROMのハイエンド規格としてDVDフォーラムに提案する。新ディスクは、同日から米国で開かれる「Media-Tech Expo 2005」(ラスベガス)で詳細を説明する。

3層45GバイトROMディスク(左)とHD DVD&DVDハイブリッドROMディスク

 同社が推進するHD DVD-ROMは、すでに1層構造の15Gバイトタイプ、2層構造の30Gバイトタイプが開発され、DVDフォーラムで承認されている。今回新たに開発したディスクは、1層あたり15Gバイトの容量を確保し、それを片面3層構造にすることで45Gバイトという大容量を実現した。

 0.6ミリ構造の2層ディスクと1層ディスクを貼り合わせることで簡単に製造できるという。HD DVD-ROMの1層15Gバイト、2層30Gバイトの上位規格と位置付けている。メモリーテックは、既に3層ディスクの量産準備を進めていることを明らかにした。

 また東芝とメモリーテックは、HD DVDとDVDのハイブリッドROMディスクを開発した。片面が2層30GバイトのHD DVD、もう片面が2層8.5GバイトのDVDになっており、同じコンテンツをHD画質とDVD画質の両方で収録することが可能だ。

 両方が収録されていれば、DVDプレーヤーしか持っていないユーザーはまずDVDでコンテンツを楽しみ、後でHD DVDにアップグレードしてもHDコンテンツを視聴できるとしている。また映画の本編をHD DVD側に、プロモーション映像やサントラなどをDVD側に収録するといった活用法も提案。東芝は「新しいディスクは消費者、ディスク製造会社、販売店、ハリウッドスタジオなどの利益にかなったもの」としている。

 新ディスクについて、NECは「HD DVDのさらなる可能性に期待している」、三洋電機は「新しいディスクによって0.6ミリディスクが持つ多様性や技術的な優位性を証明できた」とのコメントを発表した。

 HD DVDとBlu-ray Discの規格統一に向けて東芝とソニー、松下電機産業が交渉を進めているが、10日に「ディスク構造は0.1ミリで統一する」と報じられ、東芝は「0.1ミリ層を統一案とする事実はない」と否定している。

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