ダビング機能ではDVD+R DLに対応した。DVD+R DL以外の対応メディアでもDVD-RW/DVD+RWへの書き込み速度が最大6倍速(PC表記)に向上しているが、DVD-R/DVD+Rへの書き込み速度は最大8倍速と2004年冬モデルと変わっていない。またDVD+RW/+Rメディアへのダビング時には、SEP/SLPモードで録画した番組が高速ダビングできない点も変わらず。DVD+R DLメディアでもこの制限は共通だ。
DVD+R DLメディアへの書き込み速度は2.4倍速で、SPモードで1時間録画した番組の高速ダビングに約12分30秒を要する。ただ実際に三菱化学メディア製の2.4倍速書き込み対応のDVD+R DLメディアを用いて高速ダビングを行ってみたところ、メディアほぼいっぱいにダビングしても、要した時間は26分24秒であった。
これは明らかに4倍速で書き込んだ場合の所要時間であり、実際には4倍速書き込みにも対応しているようだ。ただし、スペック上はあくまで2.4倍速書き込みであり、メディアにも左右される可能性がある点には注意してほしい。
ダビングしたDVD+R DLメディアは、ブックタイプがDVD-ROMになるいわゆる「ROM化」が施されている。民生機、とくにDVDプレーヤーはブックタイプを見ていない製品も多いので、再生互換性はDVD-R DLと大きくは変わらないだろうが、理屈の上ではRDR-HX92WでダビングしたDVD+R DLメディアの方が再生互換性は高そうだ。なお、DVD-R DLに対応したパイオニア「DVR-530H/555H」同様、レイヤーチェンジの部分で再生が一時的に停止する可能性があることがマニュアルには記述されている。
このほか、2004年冬モデルで採用された機能のほとんどが新モデルに継承されている。CMカットやCM飛ばしに利用できる「おまかせチャプター」機能も健在だ。ステレオ放送の番組で動作をチェックしてみたが、ほぼ100%、本編とCMの間にチャプターを設定してくれた番組もあった。
ただ、せっかくのチャプターがDVDビデオへのダビングでは反映されない点も変わっておらず、かなりもったいない。カット編集(チャプター選択消去)には活用できるが、CMごとDVDビデオとしてダビングし、再生時に必要があればCM飛ばし、といった使い方をしたい人も多いはずだ。筆者の周囲には、CMも「時代背景を反映するもの」として、あえてCMカットを行わずにDVDへ保存している人が意外と多い。
また、「早見」「早戻し」再生は部分部分をスキップ再生する形式のため、今ひとつ滑らかさに欠ける。映像の乱れは少ないのだが、特定シーンの検索にも使いにくい。好き嫌いはあるのだろうが、より一般的なタイプのほうが、多くの人には喜ばれるのではないだろうか。
不安を感じたのは、やはり電子番組表が「G-GUIDE」である点。今回は試用期間が1週間に満たなかったため、番組表が原因の「録り逃し」には遭遇しなかったが、一貫性のない番組名の省略や、複数番組が別々だったり1つの番組にまとめられてしまったりと、表記の揺れは相変わらず。せっかくの番組追跡や「おまかせ・まる録」もこれでは……と不安を感じたのは事実だ。
旧来のスゴ録から感じていた不満や、スゴ録側の問題ではない不安は残るものの、番組追跡録画、「おまかせ・まる録」とダブルチューナーの組み合わせは、確実な番組録画という点でかなり魅力的だ。実際2004年冬モデルの登場時に「これでダブルチューナーだったら……」と溜め息を漏らした人も、「これでようやく買える」と腰を上げるのではないだろうか?
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