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» 2005年05月30日 22時34分 公開

“しっかりボディ”にハイエンド機能満載――「PowerShot S2 IS」レビュー(3/5 ページ)

[荻窪圭,ITmedia]

モードレス&ステレオ音声になった動画撮影機能に注目

 前モデルでは動画撮影専用の録画ボタンがEVF右に用意されて話題になったが、このボタンはせっかく独立して付けたのに「動画モードにしないと働かない」ため、かえって動画撮影の手順をややこしくしていた。今回はそこが改善された。

 モードダイヤルに動画ポジションはあるものの、どの撮影モードでも録画ボタンを押せばその場で動画撮影が始まるのだ。これはいい。普通に静止画で狙っていても「ここは動画で録りたい」と思ったら動画用シャッターを押せばいいのだ。これでやっと動画と静止画が近づいた。

 動画は640×480ピクセルの秒30コマだが、さらに音声がステレオ対応になった。ステレオマイクを装備し、サンプリング周波数は最高44.1kHzで、さらにウインドカット機能もついている。これは大きな進歩だ。

 だが、動画はMotion JPEGで音声はWAVE。つまり音声は非圧縮のステレオ44.1kHzになるわけで、ファイルサイズは非常にでかくなり、1GバイトのSDメモリカードを入れても約8分程度しか録れないので、普段はサンプリングレートを落としておくのがいいだろう。次は動画をMPEG-4にするなり音声をMP3やAACにするなど圧縮モードも欲しいところだ。ただMotion JPEGのため、動画から1コマを切り出したときの画質はいい。

 さてどのモードでも動画を撮れるように、動画モード時や動画撮影時に静止画を撮ることもできる。動画撮影時に静止画用シャッターボタンを押すと、動画が一瞬止まり、静止画を撮れるのだ。三洋電機の「DMX-C5」が持っているのと同等の機能だが、DMX-C5ではその際に動画に静止画が挿入されるが、S2 ISではそこで静止画を撮ったというのが分かるように動画にブランクが挿入される。ともあれ、静止画モードでも動画、動画モードでも静止画を好きに撮れるのはすばらしい改善点だ。

とうとうPowerShotにもSDメモリーカードの波が来た

 もう1つ大きなトピックとして取り上げたいのは記録メディア。ボディは従来モデルより大きくなっているけれども、メディアはCFカードからSDメモリーカードに変更されたのだ。

 より大容量が必要となる動画強化型デジカメでSDメモリーカードへの変更は疑問な面もあるが、これはキヤノンも今後コンパクトデジカメはSDメモリーカードに移行するという大きな流れのひとつと捉えた方がいいだろう。IXY Digitalシリーズが一足早くSD化を果たしたが、今後登場するPowerShotもSDメモリーカードになるのではないだろうか。これでCFカードをコンパクト機に採用していたメーカーのすべてが、SDメモリーカードへ移行することになったと言って過言ではあるまい。

 最大撮影可能枚数は、バッテリー(単三形電池4本)にニッケル水素充電池を使用した場合、CIPA規格で約550枚撮れる。これだけ持てば十分と言えよう。

バッテリーはグリップ部に単三形電池4本をセット。ニッケル水素充電池がお薦め
右側面にはSDメモリーカードスロットが。キヤノンもコンパクトデジカメではSDメモリーカードに移行していくのだろう。できれば512Mバイトか1Gバイトクラスの容量を使いたいところ

 さて今回はテレ端での作例を中心に用意したが、くっきりカラーにしたときの色のこってり感や青空の鮮やかさ、オートホワイトバランスの精度など総合するとクオリティはなかなか高い。今年の超望遠デジカメはすべての機種で1/2.5インチ500万画素CCDを採用しているが、撮影機能や拡張性(ワイコンやテレコンをつけられる)などを総合すると、S2 ISはちょっとハイエンド組だ。AFに不満はあるが、ちゃんと撮る人には非常によいデジカメだ。電子ダイヤルもつけて欲しかったほど。

 そんなわけで、やや大きくて重いボディではあるが、その分構えやすさ撮りやすさはピカイチ。確かにもうちょっと軽くても悪くないが、動画機能や連写機能、バリアングル液晶といった楽しい機能を思えば、非常に高い総合力を持ったデジカメだ。是非1Gバイトの高速タイプのSDメモリカードを入れて、普段は撮れないようなものを撮りまくりたい。お気楽派には小型軽量のDMC-FZ5、本格派にはしっかり撮れて総合力に優れるS2 ISというのがしっくりくるかも。

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