気持ちよく撮影ができた、というのがD50を使用した正直な感想だ。特にボディのホールド感と各種ボタンの感触のよさが気に入った。厚みのあるグリップは手にぴったりとフィットし、シャッターボタンは指先のちょうどいい位置に当たる。
右手の親指を少し上にずらすと、コマンドダイヤルで絞りやシャッター速度の変更ができ、下にずらすとマルチセレクターと呼ぶ十字レバーを使って、AFエリアの切り替えやメニューの項目選択などをスムーズに行える。また、背面左側にずらりと並んだ6つのボタンは適度に大きくて押しやすい。
こうした操作のフィーリングは、手の大きさによる個人差があるだろう。購入の主要ターゲットであるはずの女性ユーザーにとってどうかは分からないが、少なくとも私の大きな手との相性はとてもいい。D70sやD70を使ったときも、同じく快適に感じたが、D50はボディが小さくなったにもかかわらず、ダイヤルやボタンは若干大きくなり、操作感はいっそうよくなっている。
逆にD70s/D70よりも劣るのは、コマンドダイヤルの数が2つから1つに減ったため、露出補正やマニュアルモード時の絞り変更の際には、ボタンを併用する必要があること。また、オートブラケットの専用ボタンが省かれ、オートブラケットはメニューからの設定になったことや、液晶パネルのイルミネネーター機能がなくなったので、暗い場所ではパネルが見えにくい点も指摘できる。
連写スピードは、D70sの秒間3コマからD50では秒間2.5コマへとスペックダウンした。スポーツなど動きの速い被写体を撮る場合は、少しでも連写速度が速いほうが有利だが、3コマと2.5コマでは大きな差とはいえない。ただ、オートブラケットのために連写を使う場合には、秒間2.5コマではまだるっこく感じるのが惜しい。
これらの点が気にならなければ、それ以外の操作感は非常にいい。約0.2秒の起動時間、AFスピード、ファインダーの見やすさ、バッテリー持久力などに関しても、ストレスはない。
2.0型の大画面液晶を採用したこともポイントだ。液晶の画素数は約13万画素とあまり細かくはないが、十分な明るさがあり、屋外での画像チェックに役立った。そして、撮影直後に画像を表示した状態でボディ背面のマルチセレクターの上か下を押すと、ヒストグラムやハイライトの白とび、撮影情報などに即座に表示でき、セレクターの左か右を押すと素早くコマ送りができるのも便利である。
ハイエンドクラスのD2シリーズのほうが、当然ながら外装の質感や操作感はさらに優れる。だが、ちょろっと外に出掛けて手軽なスナップを楽しむなら、このD50のほうが断然使いやすい。一眼レフ機としてはシャッター音が比較的静かであることも、スナップ用に好適だ。
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