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“本領発揮”のインチ6000円台――エプソン、新リアプロTV(1/2 ページ)

» 2005年06月07日 18時33分 公開
[西坂真人,ITmedia]

 既報の通り、セイコーエプソンは6月7日、大画面リアプロジェクションTV(リアプロTV)“LIVINGSTATION(リビングステーション)”の新製品として、47V型「ELS-47S1」と57V型「ELS-57S1」を発表した。

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photo 47V型「ELS-47S1」(左)と57V型「ELS-57S1」(右)

 昨年5月の登場時は、エプソンダイレクトを活用した“直販スタイル”での販売が話題となったが、それから1年経過して生まれた第2世代LIVINGSTATIONには、直販のメリットを最大限に生かして「ユーザーの声を反映」した製品に仕上がっている。

価格はプラズマ/液晶のほぼ半額、消費電力も半分

 まず注目したいのが、なんといってもその価格だろう。

 エプソンダイレクトでの直販価格は57V型の「ELS-57S1」が39万8000円、47V型の「ELS-47S1」が29万8000円。1インチに換算すると57V型が約6982円、47V型が6340円と、いずれも大画面普及の指針となるインチ1万円をはるかに下回る“インチ6000円台”という普及価格を実現した。

 エプソンはこれまで従来モデルも段階的に値下げを行っているが、初登場時は57V型で56万円、47V型で46万円という価格設定だった。1年で16万2000円も値下げができた理由について同社は「光学エンジンを内製しているメリットが大きい」と述べる。「圧倒的な大画面を手軽に楽しめる」というリアプロTVの本領発揮といったところだ。

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 先週末にシャープが65V型の液晶テレビを発表したが、液晶/プラズマといったデバイス直視型のテレビは、大画面になればなるほど価格が画面サイズに比例して増えていく。シャープ65V型の168万円は別格としても、その下の45V型でも69万3000円というプライスだ。プラズマテレビも同様で、50V型で65万円前後、60V型以上になると100万円は下らない。現時点の実勢価格で比べて、同サイズならプラズマ/液晶のほぼ半額を打ち出してきた新・LIVINGSTATIONの衝撃は大きい。

 本体価格以上にエプソンがアピールするのが、ランニングコストの安さだ。

 新・LIVINGSTATIONの消費電力は約198ワットという低消費電力設計も売りの1つ。ランプでスクリーンに投写するプロジェクション方式なので、消費電力は47V型も57V型も同じだ。同社の試算によると、年間の電気代は7636円でこれは37V型の液晶テレビと同等のコストだという。

 対するプラズマテレビは50V型で400〜500ワット、60V型なら600ワット前後という“電気食い”。プラズマに比べて省電力をアピールする液晶テレビでも、45V型で360ワット(シャープ「LC-45GE2」)、65V型だと619ワット(同「LC-65GE1」)に及ぶ。

 セイコーエプソン映像機器事業部長の内田健治氏は「2005年度に国内で販売されるであろう40インチ超のテレビが全部リアプロTVになったら、年間で削減できる電力量は約9000万キロワットに及び、そのCO2削減効果は、品川区全部が森林になった時に削減できるCO2量と同じくらいの効果がある」と語り、LIVINGSTATIONが“環境に優しいテレビ”であることをアピールする。

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