ITmedia NEWS >

デジタル放送を身近にするソニー“ハッピーベガ”特集:夏ボで狙いたい液晶テレビ(2/4 ページ)

» 2005年06月20日 15時23分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
photo 向かって左側面にAV入力とヘッドフォンジャックを備える
photo 右側面のカバー内にRGB入力、音声の光デジタル出力、LAN/モジュラージャックを装備。コネクタがごつめのRGBケーブルでもカバー内に収まるように、コネクタは下向きに取り付けられている点が親切だ。光デジタル出力の下の怪しげなカバーは、同型番の海外モデルで装備されているHDMI端子用のスペースなのだろうか?(まだ26インチはリリースされていないようだが)

 内蔵チューナーを利用して外部機器での録画にも利用するモニター出力もS端子を装備し、これとは別に音声はアナログ出力と光デジタル出力も備えている。複数台のビデオレコーダーと接続する、音声をステレオ機器などに外部出力するといった使い方でもまず困ることはなさそうだ。

ソースによって変化の激しい画質

 画質のチェックは機材の都合上、既にレビュー済みの3製品とは同時には行えなかった。ただし環境は同一で、視聴に利用した映像ソースも同一。レビュー済みの3機種とは直接比較できず、筆者の記憶に頼る部分も多いことを一応お断りしておく。

 HD映像の視聴では、標準設定の「ナチュラル」で若干さらさらっとしたノイズ感を感じるものの、誇張が少なく、いい意味で強烈な絵作りを感じないさわやかな画質だ。発色については人肌に若干赤みの強い印象はあるが、不自然さまでは感じない。

 おもしろいのは民放の地上波デジタル放送で多い、SD映像をアップコンバートして1125iで送出している映像が、先にレビューした3製品を含めて本製品がもっとも自然な映像に感じた点だ。ようするに下手に絵をいじっていないからかも知れないが、解像感や立体感の誇張がない代わりに、同サイズ程度のブラウンテレビで視聴している印象にもっとも近い。ただし、原色のテロップなどにまとわり付くノイズは目立つほうだ。

 製品の位置付けからなのか、多くの競合製品が備える「シアター」「シネマ」といった輝度を抑えた画質プリセットは準備されていない。環境の明るさに応じて輝度を変更する「明るさセンサー」でカバーという所だろうが、照明を落としきるとやはり輝度が高すぎる印象を受ける。映画などの長時間視聴では部屋の照明を落とす、といった人の場合カスタム設定である程度画質を作っておく必要もある。

 素直で悪くないHD映像に対し、地上波アナログ放送は大きく異なる印象だ。同じ画質設定でも発色が派手気味で、解像感も諧調表現も乏しい。髪の毛などがベタッと潰れてしまい、まるでVHSビデオテープに一度録画した映像を再生しているようだ。地上波デジタル放送が良い印象なだけに、そのギャップは大きい。

 この画質差は、どうもアップスケーラに問題があるように思える。今回はデジタルCATVで試用したが、STBには525i/pの映像も1125i固定で送出する(つまりSTB側でアップスケールする)機能があり、これを利用してSTB側で1125iに固定してしまったほうが目に見えて良好な画質だ。

 パイオニア「DVR-720H」とD端子接続した場合の(D2/525P)画質も今ひとつ。DVDレコーダーの多くはD端子出力はD2止まりが多いので、ちょっと気になる所だ。S接続に比較するといくらかいいのだが、とにかく1125iで入力、もしくは放送として受信した映像と比較するとギャップが大きい。

1機能1ボタン、慣れれば使いやすいリモコン

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.