DVDレコーダーではトップブランドである松下電器産業の「DIGA」シリーズに、HDD+DVDレコーダーとしては初のデジタルチューナー内蔵モデル「DMR-EX100/300」がくわわった。ハイエンドAV機器というより、従来のDIGAシリーズの延長線上にあるイメージが強く、より幅広いユーザー層を狙った製品として注目を集めそうだ。
2005年に入って東芝、ソニーが立て続けにデジタルチューナー搭載のHDD+DVDレコーダーをリリースしている。それらがハイエンドモデルとしてAVマニア層を意識した製品であるのに対し、松下は一気に2モデルを投入してターゲット層を広げようとしているようだ。戦略モデルとしての素質は十分だろう。
DMR-EX300/100の基本コンポーネントは共通だ。地上波アナログ放送チューナーにくわえ、3メディア(地上波、BS、CS)対応のデジタル放送チューナーを内蔵し、デジタル放送のデジタル信号をそのまま記録するストリーム録画(TS録画)にも対応する。デジタル放送を従来のアナログ放送と同じクオリティで録画(VR録画)することも可能だ。またデジタル放送のストリーム録画とアナログ放送の同時録画機能もサポートする。
DVDドライブ部は、ほかのDIGA最新モデルと共通で、DVD-R/+Rが最大8倍速、DVD-RWが最大4倍速、DVD-RAMが最大5倍速(いずれもPC表記)となり、DVD+RWの再生も公式にサポートした。この時期に登場したにも関わらず、デジタル放送を録画した番組を可能な限り長時間&高画質でDVDに残すという意味で、2層メディアの非サポートには少し不満が残る。なお、録画したデジタル放送はDVD-R(CPRM対応)およびDVD-RAMへのムーブに対応する。
EX300とEX100で大きく異なるのは、内蔵HDD容量だ。EX300が400Gバイト、EX100が200Gバイトと倍の差がある。ハイビジョン放送のストリーム録画を行った場合、EX300では地上波デジタルが最大で約50時間30分、BSデジタルが最大約36時間の録画が可能で、EX100ではその半分の時間だ。デジタル放送のストリーム録画が中心となるとEX300でも少々心許ない気もするが、このへんは競合製品の600Gバイトでも十分ではないともいえる。
HDD容量以外で異なるのは、EX300ではアナログ回路系にも配慮されている点だ。コンデンサーやオペアンプに高品質パーツを採用し、端子の金メッキ、OFC電源ケーブルも採用するなど、いかにもハイエンドAV機器的なこだわりをみせている。
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