楽曲の転送が済めば音楽を楽しめる。再生/停止ボタンを長押して電源を入れると再生画面が現れるので、ここでナビゲーションボタンを押すと、ナビゲーション画面に移行する。
ここでは早送り/早戻しボタンで「上下移動」、ナビゲーションボタンで「戻る」、メニューボタンで「進む」となっており、再生したい曲を探した後に再生ボタンを押せば再生が開始される。操作として悩むところはなく、初めてフラッシュメモリプレーヤーを使う人でも戸惑うことなく使えるだろう。
右手に本製品を構えると、親指が再生/停止ボタン、人差し指が早送り/早戻しボタンへ自然とかかり、音量調節は親指をずらして行うことになる。自然な動線だが、親指の腹が本体上面をなぞることになってしまい、どうしても鏡面処理されたパネルに指の油が付着しがちになる。簡単にふき取れるのだが、気になってしまう。パネルが“着せ替え”できたら良かったのにと思ってしまった。
本製品は「ミュージック」「プレイリスト」「セッティング」の各モードを持っており、モードによって「メニュー」ボタンから選択できる項目が異なる。再生中にメニューボタンを押せば「ミュージックモードのメニュー」が呼び出され、再生方法や再生モード、イコライザやWOWなどの音質調整に関する設定が行え、マイク/ライン録音の設定もここから行う。
「セッティングモードのメニュー」からは表示言語切り替えやバックライトの発光時間、タイマー設定、時計/アラーム機能の設定などを行う。「プレイリストモードのメニュー」からは、プレイリストの作成/削除が行える。作成されたプレイリストは本体内のみ有効となっており、PCと接続しても持ち出すことはできない。
「メニュー」ボタンを押せば、現在自分が使用しているモードに応じたメニューが現れるので非常に便利。Windowsでいえば右クリックに相当する操作といえる。設定を行うためにボタンを押す回数も、他機種に比べて少ない。どうしても小さな液晶・小さなボタンで設定をしなくてはならないフラッシュメモリプレーヤーとしては、ひとつの解決策といえるだろう。
ただ、ライン録音についての設定項目がミュージックのメニューに含まれているなど、すべてが直感的に設定できるというわけでもない。これは筆者がいくつものポータブルプレーヤーを触ってきているせいかもしれないが、設定に関する項目はすべて「セッティング」から選択できる方がいいように感じた。
本製品は音楽再生以外にも、内蔵マイクによるボイスレコーディングとライン入力からの録音機能を備えている。
ボイスレコーディングを行うには再生画面で「メニュー」ボタンを押し、「音源」-「マイク」と選択した後に左側面の録音ボタン(REC/A-Bボタン)を長押しすればよい。録音をやめるには再生/停止ボタンを押す。生成されるファイルはMP3で、ビットレートは32/64/96/128kbpsから選択できる。
ライン入力からの録音についても、設定方法はボイスレコーディングとほぼ同じで、ケーブルを接続した後に「メニュー」から「音源」-「ライン」と選択し、録音ボタンを押す。生成されるのも同じくMP3だが、ビットレートは64/96/128/192kbpsの4種類から選択することになる。無音部分を検知してファイルを自動的に分割する、無音検出機能も備えている。
m:robeシリーズの第一弾として登場したMR-500i(レビュー)は、メガピクセルカメラや大型液晶ディスプレイを搭載し“音楽と写真を自由に融合させて楽しむ”製品として登場した。新登場したMR-F10はフラッシュメモリタイプとすることで小型化を進めたほか、ヘッドフォンもネックストラップ一体型となっており、“気軽に音楽を楽しむ”ことを提案している。
本製品と同時に発表されたMR-F20は、同様のコンセプトを持ちながらも録音可能なFMラジオチューナーを搭載するほか、96×96ピクセルに大型化された有機ELディスプレイにはJPEG画像の表示も行うことができる。
MR-F10の方がシンプルである分だけ価格も抑えられており、実売価格は512Mバイト版が1万7000円前後、1Gバイト版が2万2000円前後となる見込み。格安とはいえないが、そう高価というほどでもない。スッキリとしたスタイリングと、国内メーカーらしい丁寧な仕上がりが気に入れば、十分検討に値する製品だといえる。
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