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16:9&広角28ミリの“ワイドな楽しさ”――新LUMIX「DMC-LX1」レビュー(4/5 ページ)

» 2005年08月01日 06時27分 公開
[永山昌克,ITmedia]

 一方、十字ボタンに割り当てられた機能は、これまでの他のLUMIXとほぼ共通である。十字の上を押すと、露出補正、オートブラケット、ホワイトバランスの微調整の各画面が順に表示され、十字の左ではセルフタイマー、右ではストロボモード、下ではクイックレビューをそれぞれ選択可能だ。

 そのほかの機能としては、848×480ピクセルのワイドVGAに対応した動画モード、静止画から動画を作るコマ撮りアニメ機能、最短5センチのマクロモード、14種類を選べるシーンモードなどがある。

photo 上部のモードダイヤルでは9つのモードを切り替えられる。このうち「SCN1」または「SCN2」を選んだ場合は、メニュー画面から14種のシーンモードを選択できる
photo シーンモードのひとつ「星空」モードでは、シャッター速度を15秒、30秒、60秒の3つから選べる
photo 記録画素数を小さく設定した場合には「EX光学ズーム」が機能する。これはCCDの使用領域をトリミングすることで、あたかもズーミングしたように見せる仕掛け。特に目新しい機能ではなく、ソニーのスマートズームなど同様のズーム機能を搭載したデジカメは、これまでにもいくつかあった

画質の傾向を細かくカスタマイズできる

 撮像素子には、1/1.65インチ有効840万画素CCDを採用する。アスペクト比16:9で撮影した場合には有効画素数がフルに使われ、3:2では700万画素相当、4:3では600万画素相当になる。

 画質は、彩度やシャープネスが適度に強調されていて見栄えがいい。画質調整メニューから、コントラスト/シャープネス/彩度/ノイズリダクションの4項目をそれぞれ±1段にカスタマイズもできる。

 画像を拡大表示すると、暗部を中心にざらざらとしたノイズが見られ、感度を高めるほどそのざらつきは増える。本モデルに限らず、多くの高画素コンパクトデジカメに共通した悩みである。とはいえ、ディスプレイ上で画像を拡大表示したり、A4やA3程度に大きく印刷しない限りは、さほど気にならない。多少でもノイズを抑えたい場合は、画質調整のノイズリダクションを「高」に設定したり、RAWモードを使用したりすることで、わずかではあるがノイズを減らせる。

 全体としての感想は、ボディのホールド性に不満があるものの、ワイド撮影の楽しさはその弱点を補って余りある魅力だと感じた。ちなみに私は、今のところワイド液晶やワイドテレビを持っていない。しかしDMC-LX1を購入したら、きっと欲しくなるに違いない。メーカーの戦略にまんまと乗せられたようで、少々くやしいけれど。


photo 最低感度のISO80で撮影。絞りやシャッター速度、ホワイトバランスはマニュアルで設定
photo ISO100で撮影。暗部を中心にややノイジーになるが、大きく表示しなければ気にならない
photo ISO200で撮影。なお、感度をオートにした場合はISO80〜200の間での自動調整になる
photo ISO400で撮影。画面全体がノイジーだが、画素数が多いぶん、ノイズの粒は小さい。ノイズリダクションは、デフォルトの「標準」を選択している
photo 同じくISO400で撮影。画質調整のノイズリダクションを「高」にしたので、少しだけノイズが減っている
photo ISO400を選び、RAWモードで撮影。そして付属ソフト「PHOTO fun STUDIO」で現像した。暗部ノイズはむしろ目立つが、圧縮のノイズは低減した。なお、このソフトでは現像時のパラメーター調整は一切できないので、ちゃんと現像するなら「Photoshop CS」など市販ソフトを使ったほうがいい

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