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誰もが使える“万能選手”――松下LUMIX「DMC-FX9」レビュー(4/5 ページ)

» 2005年08月10日 11時46分 公開
[小山安博,ITmedia]

誰にでも使いやすい万能選手

 撮影では、高速3点AF/高速1点AFが使いやすい。このあたりはFX8と同等だが、AF速度は優秀だ。子どもや小動物といった動き回る被写体、マクロ撮影時にピントをよりきちんと合わせたい場合などは高速1点AFが使いやすい。

 ただ、ズーミングがややゆっくりしている点が少し気になった。これがもう少し高速になると、AFのスピードと併せて、より幅広い被写体に対応できるので残念なところだ。

 画質については、前述の通りノイズの気になる場面もあったが、高解像度のため、縮小サイズでの印刷では特に気になることはないだろう。等倍表示しなければ、パソコンのモニター上で表示する限りは問題なさそうだ。

 また、FX8では連写可能枚数が高速連写(H)/低速連写(L)いずれも画質スタンダードで最大5コマ、画質ファインで最大3コマだったが、FX9ではそれぞれ最大8コマ、最大6コマにアップした。秒3コマ(高速連写)/秒2コマ(低速連写)の連写速度は変更なし。また、カード容量いっぱいまで連写できるフリー連写は、FX8の1GバイトSDメモリーカードまでの対応から、2Gバイトまでに拡大した。

 そのほかにも、全体の色調とシャープネスを「ナチュラル」「標準」「ヴィヴィッド」の3段階で選択可能。640×480ピクセル/30fpsで、高感度撮影に対応した動画、カメラの縦位置を検出して、再生時に縦位置で再生してくれる縦位置検出機能など、使いやすい充実した機能を備える。

 残念なのが、やや撮影可能枚数が減った点。FX8では、CIPA規格で約300枚の撮影が可能だったが、FX9では約270枚と減っている。付属バッテリーの容量は変わっていないので、消費電力が上がっているようだ。

photo バッテリーは小型のリチウムイオン充電池

 FX9は、大人気だったFX7の後継であるFX8の、さらに上位モデルという位置づけだが、最大のライバルはFX8といえるほど明確な違いが多いわけではない。600万画素CCD/EX光学ズーム/星空とキャンドルのシーンモード/モニターの高精細化/連写コマ数など、人によって必要かそうでないか分かれる部分といえ、このあたりは自分の目的に応じて選ぶといいだろう。

 FXシリーズは、高い完成度を誇るシリーズであり、FX9もその名に恥じず使いやすい、誰にでも勧められるカメラに仕上がっている。FX9は、LX1、FZ30という派手な機能のカメラと同時発表のために、印象がかすんでしまった感があるが、奇抜な面がない分、万人受けするカメラである。

 最初の1台にも、別のコンパクトデジカメからの乗り換えにも、ハイエンドカメラのサブカメラとしても、どんな用途に対しても対応できる万能選手的カメラがこのFX9だ。

FX9での作例

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