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“挑戦的”なマルチプレーヤー「iBall」に挑むレビュー(3/4 ページ)

» 2005年08月15日 18時31分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 iBallのメニューには音楽/映像/静止画の再生モードを切り替えるといった項目が用意されていないので、音楽ファイルの時と同じく、転送したファイルを頭から再生するしかない。操作感覚としてはVHSテープのそれに近い。ある意味、迷うことなく操作できるシンプルな作りといえる。

 GMV MAKEは変換時にビットレート/フレームレートを9段階に変更することが可能で、MPEG-1で録画した30分番組(ビットレート 268kbps 352×240 30fps/252Mバイト)のファイルを変換してみたところ、最低画質(ビットレート416kbps/フレームレート4fps)では75.2Mバイトの、最高画質(ビットレート2Mbps/フレームレート20fps)では361Mバイトのgmvファイルに変換されることが確認できた。

GMV MAKEによる変換例(元のファイルは録画時間30分/MPEG-1/解像度352×240 30fps /ビットレート 268kbps/ファイルサイズ 252Mバイト)

変換設定 ファイルサイズ
ビットレート 416kbps/フレームレート 4fps 75.2Mバイト
ビットレート 800kbps/フレームレート 8fps 144Mバイト
ビットレート 832kbps/フレームレート 8fps 150Mバイト
ビットレート 1040kbps/フレームレート 10fps 188Mバイト
ビットレート 1248kbps/フレームレート 12fps 225Mバイト
ビットレート 1456kbps/フレームレート 14fps 263Mバイト
ビットレート 1600kbps/フレームレート 16fps 289Mバイト
ビットレート 1664kbps/フレームレート 16fps 301Mバイト
ビットレート 2000kbps/フレームレート 20fps 361Mバイト

 気になる映像のクオリティだが、最低画質(ビットレート 416kbps/フレームレート 4fps)で視聴してみたところ、さすがに字幕はもちろん、番組のタイトルロゴすらもかなり見づらく、音声も割れがちだった。徐々にビットレートとフレームレートを上げると、音声は安定してくるが、映像のクオリティに大きな変化は見られない。これはファイルの条件というよりも、96×64ピクセルというディスプレイの解像度に起因するようだ。

photo ディスプレイ解像度が低いのでどうしてもザラっとした映像になってしまう(画像にはモザイク処理をしてあります)

 解像度の低さに加えて、ディスプレイのサイズ自体も1.1インチと小さいので、ファイルの圧縮率を低くしても字幕やキャプションの判別もほとんど無理。番組オープニングのタイトルロゴがようやく識別できる程度だ。歌番組やアニメならばそれなりに楽しめるが、あくまでもそれなり。“ながら見”ならば耐えられる程度の再生クオリティだと考えるべきだ。

 PCからの転送速度は、USBが1.1であることからかなり遅い。30分番組を転送するのに15分かかる――といった半ば冗談のようなことも起こる。なぜ1.1なのかは分からないが、動画を扱う以上、2.0に対応して欲しかった。

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