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機能本位の作りに高品質な映像――BLUEDOT「BDP-1930」レビュー:ポータブルDVD特集(2/3 ページ)

» 2005年08月19日 23時24分 公開
[浅井研二,ITmedia]

 ただ、残念なのはデジタル音声出力で、これが同軸(COAXIAL)端子なのである。日本では対応機器がやや少ないとはいえ、同軸なのは別にかまわないと思う。しかし、端子がミニジャックなので、RCAプラグ←→モノラルミニプラグというケーブルを用意しなければならない。探せば見つかるだろうが、少し特殊なのはたしか。せめてケーブルが付属していればよかったのだが……。

 据置型DVDプレーヤーを持たない人が、前述のコンポーネント映像出力に着目し、この製品から大画面テレビとAVアンプへ出力して、気軽にシアター気分を味わおうとしても、接続でふと困ってしまうケースは生じうるだろう。ちなみに、前モデルの「BDP-1920」では光デジタル音声出力だった。

 DVDドライブはトップローディング方式で、左側に配置されたOPENボタンを押せば、カバーが開く。カバーはかなり薄手で、開閉構造に関しても、やや雑な印象は否めない。電源はスライドスイッチ、音量調整はダイアル式となっている。DVDを入れると、「ガー」というシーク音と「ギュイーン」とディスク回転音が鳴り、10秒程度で認識、すぐに再生が始まる。開始時だけではなく、再生中も小さく回転音が聞こえるのはしかたないとして、時折、「ジィー」とシーク音がするのは、ちょっと気になる。

photo 本体左側面は、手前に電源スライドスイッチとヘッドフォン端子2基があるのみ。ヘッドフォンと音量調整ダイアルが左右に分かれているのは、少しめずらしい配置かもしれないが、特に実用上で困るわけではない

 画面表示に関しては、スペックどおり、さすがという品質を提供してくれる。解像度が高いばかりではなく、やや色温度が高めの色合いで、個人的には好みだ。動きのある映像の追従に関しても、満足の行くレベルといえる。いずれにせよ、液晶画面に関しては、これまで紹介した製品の中で最高の品質と断言していい。画面サイズが9インチと比較的大型なこともあいまって、一般的な液晶テレビと同レベルの感覚だ。

photo 800×480というDVD鑑賞には十分な解像度の液晶を採用している。スペック面だけでなく、見た目にも緻密な映像だ。さらに、色合いも実にニュートラルで、液晶に関しては、誰しも満足するに違いない

 ただし、例によって、4:3記録の映像は自動的に正しいアスペクト比に切り替えてくれない。本体のMONITORボタンを3回押して、「ブライトネス」→「カラー」→「表示モード」と呼び出したうえで、「16:9」から「4:3」へ変更する必要がある。

 本体の操作ボタンは、再生、一時停止、停止、前/後スキップの再生制御ボタン、および、カーソルを用意。そのほかは、外部入力やカード再生モードへの切替用ボタン、そしてMENU(DVDメニュー呼び出し)があるくらいだ。設定やサーチ(早送り/早戻し)はリモコンのほうにしかない。

 ただ、特に記述はないのだが、サーチに関しては、本体の前/後スキップ長押しでも対応可能だ。早送り/早戻しはともに2/4/8/16/32倍速、スローは1/2、1/4、1/8、1/16となる。また、リモコンのズームボタンを押すと、2倍→3倍→4倍と拡大表示ができ、さらに続けると、1/2→1/3→1/4となぜか縮小表示になる。そのほか、DVDプログラム再生やDVDダイジェスト再生にも対応しており、再生機能は比較的充実しているといえるだろう。

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