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幅広い状況で失敗なく撮影できる薄型機──ニコン「COOLPIX S3」レビュー(4/5 ページ)

» 2005年09月30日 08時20分 公開
[市原達也,ITmedia]

アシスト機能の付いたシーンモード

 シーンモードは全16種類ある。また、撮影モードではないが、録音モードもシーンモードとして登録されているため、画面上には17種類のアイコンが表示される。このうち、「ポートレート」「スポーツ」「夜景ポートレート」「風景」の4つはさらにシチュエーションに合わせた「アシスト機能」を選ぶことでよりイメージ通りの撮影が可能だ。たとえば、ポートレート撮影の場合、人物が画面の左にいるのか、右にいるのか、2人で撮るか、逆光で撮るかなどをアシスト機能から選択することで、最適な撮影が簡単にできる。もともとオートモードでも問題なく撮影できてしまうカメラなので、アシスト機能を切り替えても撮影の差が分かりにくいものも多かったが、ちゃんと設定すれば失敗を最小限に抑えて撮影できるだろう。

 このほかのシーンモードは「パーティー」「打ち上げ花火」「海・雪」「モノクロコピー」「水中」「夜景」「逆光」「トワイライト」「パノラマアシスト」「クローズアップ」「夕焼け」「ミュージアム」である。水中撮影モードは別売のウォータープルーフケース「WP-CP5」で水中を撮るときに使うモードである。

photo シーンモードのメニュー画面。アイコンで表示されているので感覚的に分かりやすい
photo アシストモードはシーンモードを選んだ直後に、状況によってさらに細かく設定することで失敗なく撮影できるようになる。面倒なら最初のアイコンを選べば、汎用的な撮影モードとなる
photo 分からないアイコンはズームレバーの望遠側を押すことでヘルプが表示される

屈曲光学系として十分な画質

 屈曲光学系レンズを搭載したカメラとしては十分な画質といえるだろう。わずかに四隅に画質の劣化が見られるが、画像を大きく拡大してよく見ないと分からない程度である。オートフォーカスやAEが優れているので、撮影の失敗が少ないのも評価できる。

 光学系はCOOLPIX S1と同じものを使っていると思われる。510万画素から600万画素に画素が増えることでレンズ性能が気になったが、わずか2割弱の画素数増加なら問題ないようだ。COOLPIX S1の最大記録解像度は2592×1944ピクセルで、COOLPIX S3の最大記録解像度は2816×2112ピクセルと、縦横とも画素は10%弱の増加である。

 逆光でもコントラストが激しい被写体でもシャッターを押すだけでほとんど失敗なく撮影できるカメラである。なので、カメラはオートモードでしか使わないような人にも適したカメラである。マニュアル撮影機能はないが、シーンモードなどを利用することでイメージに近い撮影が可能なので、マニアックなユーザーが普段持ち歩くカメラとしてもおすすめできる。

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