パナソニックの3CCD搭載ビデオカメラの最新作は、“SDカードムービー”としての登場とあいなった。この「SDR-S100」は、本来であればD-snapシリーズに並ぶような製品スタイルで、MPEG-2記録採用のSDマルチカメラ「SV-AV100」の後継機ともいえそうだ。しかし、松下電器産業のサイトを見てもわかるとおり、D-snapではなく、あくまでもビデオカメラの1系統としてラインアップされている。
これは松下電器産業の自信の表れともいえるだろうが、実際、撮影品質や機能の点では、現状のビデオカメラ製品にひけをとらないレベルを確保している。「SV-AV100」でも当時のDVカメラに近い雰囲気は持っていた。しかし、「SDR-S100」では前述の3CCDや光学式手ブレ補正機能の搭載もあり、より明確にビデオカメラ購入層にアピールしうる製品に仕上がっている。
撮像素子には1/6型CCDを採用し、画素数は約80万×3、有効画素数は16:9動画撮影時で約54万、4:3動画で約64万だ。ただし、いずれの場合も704×480ピクセルでMPEG-2(SD-Video規格準拠)記録される。一方、静止画撮影時に関しては、CCD1枚あたり約71万(4:3)/約54万(16:9)となるが、最大2048×1512の記録モードを用意した。
記録メディアがSDのみとあって、本体はかなりコンパクトだ。サイズは幅49.9×高さ96.7×奥行き80.4ミリで、バッテリー込みの撮影時重量も約280グラムと非常に軽い。持ち歩く際には、親指と小指で両脇を挟み、“頭”の部分を残りの3本の指で押さえれば、片手にしっかりと収められる。そのため、携帯電話に近い感覚で持ち運べるのだ(もちろん、厚みはかなり違うが)。
また、撮影時のホールド感も思ったよりは悪くない。このカメラの形状は、レンズ部が前方へ若干突出しており、また、その周辺に膨らみがついているのが特徴といえる。これはおそらく、3CCDや光学式手ブレ補正といった機構を、よりコンパクトなボディに収めるための工夫だろうが、それがホールド時には功を奏し、人差し指と中指にしっかりと引っ掛かってくれる。そのため、意外と安定した撮影スタイルを確保可能なわけだ。
製品には記録メディアとして、容量2GバイトのSDカードが付属する。「SV-AV100」では512Mバイトだったのに対し、4倍の容量を実現した。現在、2Gバイト・SDカードの市場価格は3万円弱で、この「SDR-S100」の予想価格は13万円前後とされているので、単純に考えれば、カメラ本体のみの価格は10万円程度となる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR