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新iPodの動画対応機能を試すレビュー(3/3 ページ)

» 2005年10月27日 10時25分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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 Image Converter 2はAVI、MPEG-1/2/4、QuickTime、WMVの動画ファイルをメモリースティックビデオ形式(コーデックはMPEG-4、拡張子は.MP4)へ変換する機能を持っている。生成されるファイルの解像度は320×240ピクセルに固定されており、変換に際して設定できるのも4段階の画質調整のみとシンプルだ。

photo 変換時に設定できるのは画質のみ。96kbpsを選択した場合に限り、「主音声のみ」「副音声のみ」「主音声と副音声のミックス」を選択できる

 QuickTime Proと同じ30分のテレビ録画ファイル(MPEG-1、352×240、30fps)を変換させてみたところ、5分程度で変換が完了した。これならさほどストレスを感じることもない。生成されたファイルをiTunesで開いてみたところ、無事再生することができ、iPodへの転送・再生も問題がないことが確認できた。

 試しに、Image Converter 2の上位バージョン「Image Converter 2 Plus」(2100円。Image Converter 2購入者とVAIO登録者ならば優待価格1050円で購入可能)がもつMPEG-4 AVC出力機能も利用してみた。MPEG-4 AVCとはH.264の別名で、いわゆるMPEG-4(MPEG-4 Part2)と基本技術は同一ながらも、動画圧縮効率を高めているのが特徴。H.264/MPEG-4 AVCやH.264/AVCとも呼ばれる。

photo Image Converter 2 Plus
photo Image Converter 2 PlusはMPEG-4に加えて、MPEG-4 AVC(H.264)での書き出しも行える

 圧縮効率が高い影響か、変換に15分ほどの時間がかったほかはMPEG-4での変換とほぼ変わりなく、生成された.MP4ファイルもiTunesで問題なく再生できた。ただ、iTunesのライブラリーに登録はできたものの、iPodへの転送は行えなかった。MPEG-4(MPEG-4 Part2)で生成したファイルが再生できたことを考えると、どうやらプロファイルが関係しているように思える(iPodはメインプロファイルのみをサポート)。

photo iPodで再生できない動画ファイルを転送しようとすると、このような警告メッセージが出る

 Image Converter 2を使用してみた結果、「PSP用のMPEG-4(MPEG-4 Part2)」として生成されたファイルならば、ほぼiPodで視聴可能だろうという推測が成り立つ。そうなると、「手元の動画ファイルをiPodで視聴したい」という目的のためには、前述したソフトのほか、ホロンの「VideoVault for PSP ver.1.5」やXilisoft Inc.の「Xilisoft PSP Video Converter」などのPSP向けソフトを使うという選択肢も浮上する。

 また、少数ながらもMPEG-4への書き出しに対応したテレビキャプチャユニットも存在しており、ソニック・ソルーションズの「EyeTV 200」やプレクスターの「convert X PVR(PX-TV402U/JP)」なども組み合わせや設定次第では活用できそうだ。今後、エンコードソフトやキャプチャカード、キャプチャソフトなどの設定に「iPod形式で書き出す」というメニューが加えられることも十分に想像できる。

 アップル側は否定するかもしれないが、「大容量」「薄型」「大型カラー液晶」と三拍子がこれだけそろったデバイスを音楽“専用”にしてしまうのは少々惜しい気がする。新型iPodならば、PCで録画した番組を持ち出して「いつもは音楽、たまにはビデオ鑑賞」というライフスタイルを作り出すことができるだけに、“iPodビデオ”に対応したソフトや周辺機器の登場を楽しみに待ちたいところだ。

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