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誰にでもお勧めできるフォーサーズの決定版――オリンパス「E-500」レビュー(3/5 ページ)

» 2005年11月30日 23時35分 公開
[小山安博,ITmedia]

 ファインダースクリーンはネオルミクロン全面マットタイプで、E-300よりも明るいものを採用したそうだ。ピントの山のつかみやすさはE-300とそれほど差は感じなかったが、明るくなった点はいい。ファインダーの視野率は約95%、倍率は約0.9倍。スーパーインポーズが改良されたのも評価できる。E-300では合焦すると大きな赤いポイントが光ったが、だいぶ控えめな点になり、ピントが合っている部分が分かりやすくなった。撮影情報はファインダー内右側に縦に並ぶ方式だ。

 撮影レスポンスは快適。起動時間は実測で2秒強だが、起動時に同社特有のスーパーソニックウェーブフィルターが動作するダストリダクションシステムを採用しており、それを考えれば十分な速度。連写速度は約2.5コマ/秒で、JPEGではCFカード(トランセンド 45倍速1Gバイト)利用時でSHQの場合は5コマ、HQ・1/8圧縮ではカードいっぱいまで連写できた(RAW撮影時は4コマまで)。こちらはE-300同等のようだ。

 撮像素子は有効画素数815万画素のフルフレームCCDを搭載する。オリンパスが推進するフォーサーズシステムに従ったCCDであり、素子サイズは4/3型で、静止画専用に設計されたフルフレーム型のためより広い受光部を持ち、ダイナミックレンジの点で有利だという。そのほか、赤外線を吸収するガラスフィルター+ダイクロイックミラーというハイブリッド赤外線カットフィルターを採用。レンズマウントに比べて素子サイズが小さいため、光が受光部にまっすぐ入るなど、高画質への工夫はふんだんに盛り込まれている。

photo 撮像素子は有効画素数815万画素

 新機能としては49分割測光センサーを新開発。ハイブリッド測光方式を採用したということで、高速かつ正確な測光が可能。また、銀塩の一眼レフカメラであるOM-4で搭載していたスポット方式のハイライト&シャドーコントロール機能を搭載。白を基準に測光するハイライトコントロール、黒を基準に測光するシャドーコントロールにより、測光が難しい被写体もより正確な色再現を可能にしている。

 ブラケティング機能では、露出とホワイトバランスに加え、フラッシュの光量を変えるフラッシュブラケティング、フォーカス位置をずらすフォーカスブラケティングにも対応した。

 「仕上がりモード」も新しい機能だ。これは、シャープ/コントラスト/彩度を一括して変更するモードで、色鮮やかにするビビッド、自然な仕上がりになるナチュラル、PCでの編集を前提としたフラットに加え、モノトーン/セピアを搭載。セピアは、赤/橙/黄/緑のフィルター効果と、セピア/青/紫/緑の調色が可能。ビビッドはE-300、ナチュラルはE-1に近い仕上がりになるそうだ。

 E-500には、長秒露光時のノイズリダクションと高感度時のノイズフィルターと2つのノイズ低減機能が搭載されており、いずれの場合でもとにかくノイズが少ない点がうれしい。ノイズフィルターにより、ISO400は十分常用でき、ISO800/1600も十分使えるレベルだ。これであればISO3200ぐらいを用意しても大丈夫だったように感じる。ノイズフィルターとは異なり、ノイズリダクションをオンにしていると連写が使えなくなるが、夜景撮影時などで効果を発揮する。

画像の比較も容易な再生機能

 再生時のレスポンスも快適。コマ送りもほとんど引っかかることはなく、次々と写真を閲覧できる。2.5インチのハイパークリスタル液晶は色再現性もよく、視野角も広いため画像の確認が楽だ。

photo 再生画面。視野角も広いので、複数で画像を閲覧する際にも見やすい

 1コマ表示時、INFOボタンで撮影情報を表示できる。詳細情報を表示した場合、シャッタースピードや絞り、ISO感度などに加え、測光方式やレンズ焦点距離(35ミリ判換算)、AF測距点、RGB各色のヒストグラムまでも表示される。ハイライト、シャドーもそれぞれ表示可能だ。

photo 詳細情報の表示画面。多彩な情報が表示されるのがうれしい

 サムネイル表示はコントロールダイヤルを回し、4コマ/9コマ/16コマ/20コマまで可能。20コマの次はカレンダー表示になる。拡大は14倍まで。1コマ表示でワンプッシュホワイトバランスボタンを押すと、画面中央に拡大枠が表示され、もう一度ボタンを押すと一気に10倍まで拡大されるので、ピントやブレの確認に適している。この拡大枠は十字キーで移動可能で、拡大倍率もコントロールダイヤルでカスタマイズ可能。

photo サムネイルは最大で20コマまで同時表示可能
photo カレンダー表示にも対応する

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