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目の付け所が“シャープ”なタフネスプレーヤー「MP-S200」レビュー(2/2 ページ)

» 2005年12月06日 00時03分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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 対応するオーディオフォーマットはMP3とWMA。Windows DRMにも対応する。楽曲データはWindows Media Player10(WMP10)でも転送可能だが、本製品には音楽CDをセットするとワンクリックでWMAに変換して転送(同期)してくれる「SHARP 音楽CDデータ転送ソフト」が付属している。

photo 「SHARP 音楽CDデータ転送ソフト」。利用するにはWindows Media Player10がインストールされている必要がある

 設定項目は非常にシンプルで、ビットレートを2段階(64kbps/128kbps)に調整できるだけ。CDDBへのアクセス機能も備えており、インターネットに接続された環境ならば自動的にアーティスト名/アルバム名/曲名を検索してくれる。

photo シンプルな設定項目。「保護」をオフにすることはできない

 「ワンクリックでCDからプレーヤーへ転送」という機能は東芝のgigabeatシリーズにも「RipRec」という名称で実装されているが、本ソフトはリッピングした曲を「マイミュージック」以下に「アーティスト名¥アルバム名」の順で著作権保護付きのWMAファイルとして保存する点が異なる(RipRecはPCに楽曲を保存しない)。なお、保存されたファイルについて、PC上での再生は問題ない。

 音楽配信サイトで購入した楽曲の転送についてはWMP10を利用するしかないので、WMP10を利用しても問題ないのだが、本ソフトは文字通り「ワンクリック」ですべて完了する簡便さが魅力。同種製品の操作になれていないユーザーには心強い味方になるだろう。

車内で便利なFMトランスミッター機能を内蔵

 メニューキーで電源を入れると「音楽」「ボイス」「設定」のメインメニューが現れるので、「音楽」―「曲リスト」と選択すれば先ほど転送した楽曲が確認できる。操作は再生/一時停止キーの押し込みで「決定」、早戻しキーで「前画面」、早送りキーで「次画面」、再生/一時停止キーを上下に動かすと画面内での選択が行える。音楽再生に利用するボタンの数も多くなく、しばらく触っていれば自然と操作を覚えることができる。

photo メインメニュー
photo 再生中の画面。カラフルな液晶を見慣れてしまった身には単色の有機ELディスプレイは少々さみしく感じるが、利用に際しての問題はまったくない

 ボイスレコーダーとダイレクトエンコーディング機能を搭載するほか、同社製品「MP-A100/200」と同様にFMトランスミッターを内蔵しているのも大きな特徴。FMトランスミッターは85.1〜88.9MHzの範囲(0.2MHzきざみ)で周波数を自由に設定できるので、車内に持ち込んでも活用できる。

 気になったのは、メインメニューに「FMトランスミッター」という項目が用意されておらず、音楽再生ならば楽曲再生中か曲リスト表示画面、ボイスレコーディングならば録音したファイルの再生画面か録音ファイルのリスト画面から「メニュー」キーを使って、それぞれの周波数を設定し、利用を開始する仕様となっている点。

photo 音楽再生にメニューキーを押すと現れるサブメニューにはEQやリピート設定と並んでFMトランスミッターの設定とオン/オフが用意されている
photo FMトランスミッターをオンにすると、電池残量の左(画面右上)にアンテナのマークが出る

 音楽ファイルとボイスレコーディングしたファイルの再生に関して、それぞれ別の周波数を割り振ることが可能なのだが、あまりこの2つを使い分ける必要があるとは思えない。気軽にFMトランスミッター機能を使うためにも、メインメニューにオン/オフ項目を用意しておくか、ハードウェアとしてオン/オフボタンをした方が★便利に使えるように思う。

スポーティなスタイルが最大の魅力――防水性を付加した第2弾製品を

 内蔵のFMトランスミッターやワンクリックでCDから転送(同期)可能な添付ソフトも便利だが、本製品の魅力はなんといってもそのスタイリングに尽きるだろう。多くのポータブルプレーヤーが登場している中、個性的なデザインはそれだけで大きな差別化のポイントになる。今夏に登場した防水・耐衝撃性を備えた携帯電話「G'zOne TYPE-R」(ITMedia +D Mobile G'zOne TYPE-R 機種別記事一覧)が人気を博したように、タフさを持った製品への支持やニーズは常に一定以上ある。

photo

 本製品はカラビナをイメージさせるデザインに高い耐衝撃性を備えており、街中はもちろん、さまざまなアウトドアのシーンにもマッチする。アウトドアといえばこれからはスキーやスノーボードなど、ウインタースポーツのシーズン。本製品はそうしたシーンにもマッチするが、防水・防滴性能を持っていないため、そのままゲレンデなどへ持ち出すことはできない。スポーティなイメージを保ったまま、ある程度の防水性も備えた第2弾が登場すれば、より幅広い層へアピールできるだろう。

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