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クラス超えた“お買い得な高画質”――三菱DLPプロジェクター「LVP-HC3000」レビュー:Theater Style(2/4 ページ)

» 2005年12月07日 18時29分 公開
[本田雅一,ITmedia]

6セグメントながら新デバイスで丁寧な暗部表現

 採用ランプは超高圧水銀ランプの200ワットだが、小柄なボディに似合わずパワーもあり、アイリスをオープンにすればにゲイン1以下のローゲインでも120インチスクリーンでパワー不足を感じない。

 アイリスオープンの場合、コントラストや若干下がるはずだが、見た目にはさほど気にならず、むしろ白ピークが伸びて明るいシーンの印象は良くなる。スクリーンサイズが120インチ以上ならオープン、100インチ以下ならクローズが良いだろう。またテレビ放送の録画などビデオ系ソースの場合は、おおむねオープンの方が良い結果になる。

 もちろん、目の感度の違いやスクリーンの種類によっても異なるため一慨には言えないが、どの設定でも十分な光の量は確保されている。好みにもよるが、コントラスト比の高さを生かすためにも、白ピークを高めにしてダイナミックレンジを確保する方が良いだろう。コントラストが高いため、ハイライト輝度を伸ばしても黒浮き感は少ない。

 単板DLPの弱点でもある低輝度部のノイズ感も少ない。ハイエンドの単板DLPは濃グリーンセグメントを配置した7セグメント(RGB×2+濃グリーン)あるいは8セグメント(濃グリーンを2パートに分割)のホイールを使うことが多い。低輝度部の量子化ノイズを抑え込むためだ。

 ところが本機はRGB×2の6セグメント構成ながら、暗部階調が豊かでノイズ感も少ない。前述のコントラストの高さとあわせ表現力が豊かなのだ。この豊かな表現力の中に、繊細な映画表現を描き出す。

 投影像を様々な角度から比較してみると、単板DLPが不得手とする明るい黄色などでやや発色が弱くなるものの、赤の表現が美しいなどプラス要因もあってか、ほとんど気にならない。

 三菱によると、こうした表現力の向上は、LVP-HC3000で初めて搭載された新型フォーマッタボード(DMDチップをどのように駆動するかを元画像から分析し、実際に素子を駆動する回路)が大きく貢献しているという。

photo  
photo TIが新フォーマッタボードでサポートしているブリリアントカラーのオン・オフ比較。オン時は白ピークが伸び、空も明るく出ているのがわかる。しかしブリリアントカラーオン時の絵は、やや平板であっけらかんとした印象。ビデオソース、特に音楽ライブのステージ映像との相性は良い

幅広い映像に合う懐の深さ

 本機が最も能力を発揮するのは、なんといっても映画ソースだ。しかもシャドウを強調した暗いシーンの多い映画とのマッチングがいい。高いコントラストと暗部階調の豊富さ、それにDLPならではのユニフォミティの高さが、映画を投射する上で生きてくるからだ。

 しかしビデオソースも悪くない。本機はガンマ設定でオートがデフォルトになっている。これはソースがフィルムの場合、自動的にガンマをシネマモードし、ビデオソースではビデオモードにする(もちろん手動でも選択できる)。

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