まだダイヤルを使いこなしてないところもあるが、インタフェースとしてはシンプルで気持ちいい。背面のホイール型ダイヤルは使ってみると非常にいいのだ。考えてみたら、EOS(KISSを除く)も背面にダイヤルを持っているわけだし、他社ではソニー「DSC-R1」も背面にダイヤルを持ってた。ほかのマニュアル系デジカメもこういうインタフェースは積極的に採用して欲しいと思う。
撮影モードダイヤルは右側面に飛び出る形でついており、親指で縦に回す。
撮影機能自体は従来のPowershot Sを受け継ぐもの。プログラムAE、絞り優先AE、シャッタースピード優先AE、マニュアル露出に加えて、カスタム、マイカラーモード、シーンモードを装備。シーンモード時はホイールでシーンの選択ができる。
ISO感度は50から400。ホワイトバランスはカスタム設定が可能。もちろん色効果モードも。奇抜な機能はないが、基本をしっかり抑えた撮りたい人のためのデジカメだ。
AFも比較的高速で、9点AiAFのほか、画面上の任意の場所に合わせられるスポットAF機能やフォーカスブラケティング撮影機能もある。
操作系で追加すべきは、左上にあるダイレクトプリントボタンを撮影時にショートカットとして割り当てられること。ここにWBなどを割り当てておくとメニューを介さずに切り替えられて便利。
ディスプレイは2.5インチと大きなタイプで、グリッド表示やリアルタイムヒストグラム表示ができる。
起動は、レンズカバーを開くのに要する時間を除くと約1秒ちょっとと非常に高速。
画質は「DIGIC II」を駆使したキヤノンらしいもの。基本的にコッテリ系で鮮やかさを保ちつつ、ノイズは少なくてディテールもけっこう出ている。ほかのDIGIC II搭載機と同様、色効果モードでくっきりカラーやすっきりカラー、さらにマイカラーモードでポジフィルムカラーやワンポイントカラー機能を使うことも可能だ。
気になるのは2点。1点はバッテリー。IXY系よりひとまわり大きなバッテリーを採用しているのだが(「Powershot S60」や「Powershot S70」と同じものを引き続き採用)、CIPA規格で約200枚。ボディのサイズやバッテリーの大きさを思うともうちょっとがんばって欲しかった。
2番目はボディのサイズ。横幅や高さはいいとして、厚みが38.8ミリと結構ぶ厚く、グリップ時もずんぐりさを感じてしまう。これも残念なところ。
でもトータルとして、特筆した個性はないけれども、広角系コンパクトとしてオーソドックスでまとまった作り。キヤノンならではの写りの安定感もある。そしてくるくる回すインタフェースはなかなかのお気に入りだ。
最近、この上のクラス(キヤノンでいえば「Powershot G6」的マニュアル系ハイエンド機)が減ってきているため、マニュアル系の機能がそこそこしっかりしてて携帯性もあって広角もOKってのは捨てがたい魅力なのだ。色も鮮やかなので、旅行に持って行きたくなる1台。
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