撮影中に液晶部分をタッチして操作するためには、オンスクリーンキーボタンを押す。すると画面にモード切り替え、露出補正、フォーカス切り替え、フラッシュオン/オフ、セルフタイマー、マクロ切り替え、画質選択の各アイコンが現れ、これをタッチするとさらに各設定が行える。さらにMENUアイコンも現れ、これを押すことでさらに詳細な撮影機能を選択できる。
オンスクリーンキーボタンを押してから画面をタッチする形で、ワンクッション必要な点は少し残念だが、各アイコンは大きく、タッチパネルの感度も良好。軽くタッチして機能を次々と選択していくという感覚は新しく、快適だ。右手の親指でオンスクリーンキーボタンを押し、表示されたアイコンは両手の人さし指を使うことでより素早くアイコンをタッチできる。
表示されるアイコンは文字も大きく分かりやすいため、表示された瞬間に素早く判別でき、思ったよりも軽快にアイコンを選べる。常に目に見えるハードキーと異なり、表示されない限り、どこに何のアイコンが表示されるか分からないこうしたソフトキーは、あまり小さすぎると指が迷ってしまうので、今回のような大きなアイコンにしたのは理にかなっている。
ただ、大型アイコンが便利に感じるのも、操作に慣れていない使い始めのころだけだ。せっかく大型/高解像度液晶を使っているのに、アイコンが大きく、1画面に表示される項目が少ないのだ。オンスクリーンキーボタンが本体右端にあり、アイコンは画面全体に表示されるので、指の移動が大きい点も気になる。
また、それほど頻繁に使うとは思えない画質選択や、個人的に使用頻度の低いフォーカス切り替え、セルフタイマーといったアイコンがまず表示され、逆によく使うISO感度変更やホワイトバランスがMENUアイコンの中にあるのも疑問を感じた部分だ。
撮影モードやMENU、ISO感度などの各種設定画面では、横長のアイコンが1画面に4項目しか表示されず、画面のスクロールボタンを何度もタッチしなければいけないのも気にかかる。また露出補正やシャッタースピード、絞りの変更が上下の矢印を押して変更する仕組みも、あまり操作性がいいとは言えない。
タッチパネルという独特の機能を搭載した点はとても評価できる。これまではデジタルビデオカメラやオリンパスのm:robeあたりでタッチパネル液晶は採用されてきたが、ソニーのデジカメとしては初めての試みだ。ただ、現時点では単にタッチパネルを採用しただけで、その機能を生かし切れていない点がもったいないのだ。
例えば、アイコンのサイズをユーザーの好きなサイズに変更して1画面に表示される項目数を増やせたり、オンスクリーンキーボタンを押したときに最初に表示される撮影設定をカスタマイズできたりすれば使い勝手が高まるだろう。露出補正やISO感度などはスライドバーを取り入れ、指を滑らせれば一気に数値が変更される、というインタフェースも使いやすそうだ。
逆にタッチスクリーンの機能を生かし切っているのが、スポットAFだ。画面内にAF範囲が表示され、その中であればどこでも、指で触れた部分にAFポイントが移動する。ほかのコンパクトデジカメで一般的な、AFポイントを十字キーで移動させる仕組みよりもはるかに使いやすい。
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