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「SAFIA」のライセンス開始で実用化に近づいた「iVDR」2006 International CES

» 2006年01月07日 22時24分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 日立製作所ブースでは、家電やPC、カーナビなど幅広い分野での活用を目指したリムーバブルHDD「iVDR」(Information Versatile Disk for Removable usage)の展示が行われてる。展示されている製品のうち、多くはCEATEC JAPAN 2005にも展示されていたものだが、2005年11月に行われたコンソーシアムで著作権保護機能「SAFIA」のライセンスが開始され、製品化に向けた動きを加速している。

photo iVDRを搭載した液晶テレビ

 SAFIAはiVDRでの利用を前提に開発された著作権保護技術で、コンテンツをAES-128により暗号化し、デバイスとiVDRの間はPKIをベースとした双方向認証処理が行われる。ネットワーク認証がサポートされるため、暗号化されたコンテンツとライセンスキーを個別に流通させる“超流通”にも対応できる。SAFAIを実装したiVDRは「Secure iVDR」と呼ばれる。

 技術的にはデジタル放送のコピーワンス番組録画にも対応可能であり、現在はARIBの認証を待っている状態だ。「2006年第1四半期にはARIBの認証を得られると考えている。デジタルコンテンツの扱いを念頭に置いていることもあり、ハリウッドメジャーにも理解を得られるように努力している」(同社)

 ブースにはiVDRを搭載した液晶テレビのほか、レコーダー、カーナビ、ポータブルDVDサイズのパーソナルビューワーなども展示されている。パーソナルビューワーは7インチのOLEDを組み合わせた状態で並べられていた。

photo パーソナルビューワーが搭載するのは1.8インチサイズのHDDを利用する「iVDR mini」
photo 三洋のiVRD対応レコーダー(試作機)
photo シャープのiVRD対応レコーダー(試作機)。Blu-ray Discとのハイブリッドタイプ

 ARIBの認証を受けた時点から製品化に向けた動きが本格化するため、iVDR対応製品の登場は早くても2006年末になる。当初は比較的コスト吸収が容易なPC製品となる見込みだが、関係者の1人は「AV家電に搭載する際には、普及のためにもコスト増を招かないようにしたい。むしろ、同クラス品よりも安い価格設定をしたいぐらいだ」と普及への意気込みを語る。

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