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デザインも1つの機能――三菱の冷蔵庫“プレミアム化”戦略(1/2 ページ)

» 2006年01月14日 01時07分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 三菱電機は1月12日、報道関係者向けに「プレミアムキッチン家電」の体験イベントを開催し、昨年末に発表した新型冷蔵庫「Aシリーズ」などを披露した。Aシリーズは、“洋風の木目調”といえる「ナチュラルウッド」をカラーバリエーションにくわえた珍しい冷蔵庫。ここから同社のデザイン戦略が垣間見えてきた。

photo “洋風の木目調”を採用したAシリーズ(MR-A41J)

 三菱電機は、LEDの光で野菜の光合成を促進させる「光パワー野菜室」や透明な氷を作る「鉛クリーン光清氷」といった新機能を積極的に取り入れ、付加価値の高い“プレミアム家電”を推し進めてきた。とくに昨年は、500リットル以上の容量を持つ「Wclass」を投入。当初計画の3倍以上を販売するヒット商品になるなど堅調に推移した。「400リットル以上の冷蔵庫は軒並み2桁成長。大型冷蔵庫の市場シェアは20%になった」(同社家電事業部の田代正登事業部長)。

photo 三菱電機家電事業部の田代正登事業部長

 ただし、同社の大型冷蔵庫が人気を集めた理由は、容量や使い勝手だけではない。Wclassのユーザーアンケート結果では“購入の決め手”となった理由の第1位は「デザイン」だったという。「この結果は、デザイン自体が“機能”であるということを示している」。

設置する空間から逆算してデザイン

 新製品のAシリーズは、上位モデルのコンセプトを引き継ぎながら、さらにデザイン面を重視したモデルだ。たとえば、庫内容量407リットルの「MR-A41J」はドアをすべてセンター開きにして「5ドアながら2ドアに見える」外観を手に入れた。また、Wclassでは扉に配置されていた操作パネルやメーカーロゴを庫内に移してシンプル化。フロントパネルは印刷鋼板製で、指紋などがめだたない“つや消しシルバー”の「チタニウムステンレス」「シャンパンシルバー」などをラインアップした。

photo こちらは「チタニウムステンレス」の「MR-A41J」(定格内容積407リットル)。前面中央部のラインは、シャープな印象を与えるアルミ素材を使用している。2月発売予定で店頭予想価格は20万円前後になる見込み
photo 操作パネルのほか、メーカーロゴまで庫内に配置して外観は極力シンプルにした。ドアは全室オートクローザー付き
photo 機能面も「光パワー野菜室」のほか、透明な氷を作る「鉛クリーン光清氷」「新きれちゃう冷凍」などWclassに準じたもの。写真はドアポケットの側面からでも簡単に出し入れできる「ヨコ取りポケット」
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