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日常でもビジネスでもOKな多機能モデル――カシオ「EXILIM ZOOM EX-Z600」レビュー(2/6 ページ)

» 2006年01月30日 20時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 その中でもZ600ならではのポイントは3つある。

 ひとつめは液晶モニターの明るさ向上。2番目はブレ対策。3番目は退色した写真を補正してくれる「よみがえりショット」を含む豊富なベストショットだ。

 液晶モニターは2.7インチで約15万画素(640×240ピクセル)。ハイエンド機の23万画素に比べると少ないが、使っていて粗いと感じることはあまりない。これは前モデルと同じだが、バックライトが強化され、従来の3倍の明るさとなった。実際、屋外でも十分な明るさを保っていて見やすい。

 バックライトを常時明るくしていても電池を食うだけだが、環境光に応じて明るさを自動調整する「オート」が用意されている。「オート1」と「オート2」があるが、違いは輝度調整のタイミング。オート2の方が早めに明るくなる。バッテリーを気にする人はオート1、明るさ・見やすさ優先の人はオート2がお勧め。この辺の細かいひと工夫がカシオらしいところだ。

 ブレ対策は、2005年に光学式手ブレ補正デジカメと高感度仕様FinePixがブレイクしたことで一気に最重要項目に躍り出た。光学式手ブレ補正も高感度仕様CCDも持たないメーカーは、増感時のアルゴリズムや、ISO感度の上げ方を見直すことでブレに対処している。

 カシオもその中の1社。メニューにある「ブレ軽減」をオンにすると、オフのときに比べて早めに増感をはじめ、暗くなると最大ISO800まで自動増感する。オート時は1/8秒がシャッタースピードの下限だが、ブレ軽減にしておけばどんどん感度を上げていってくれるので撮れるシチュエーションが増えるし、増感することでシャッタースピードも上げられる。ちなみにベストショットの「高感度」や「ブレ軽減」でも同様の効果を得られる。

 ただ、内部処理(Anti Shake DSP)で増感しているだけでCCD自体は普通のコンパクトデジカメ用なので増感時の画質はやはり落ちる。ノイズ低減処理が強くかかるので、ざらざらにはならないが、ディテールがつぶれてのっぺりしてしまうのだ。人物写真などではかなり気になる。でも、フラッシュで撮るのは得策でない場所でもブレずに撮れるのはメリット。

 3番目のベストショット機能は、カシオのホームページに全ベストショットの解説が載っているのでそれを見てもらうのが一番早いわけだが、Z600で新たに追加されたのは29番の「古い写真を写します」機能。色あせた古い写真をZ600で撮影すると、ビジネスショットで採用された「全体から矩形の被写体を見つけ出して歪みを補正する」機能を使って写真部分を切り出し、そこの色を補正して1枚の絵にしてくれるというもの。この機能は再生モードでも使える。試しに古い写真を1枚適当に撮影して、どのくらい補正できるのか確かめてみた。

補正前
補正後

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