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無線LAN内蔵の“ハイテク”コンパクト機――ニコン「COOLPIX S6」レビュー(2/5 ページ)

» 2006年03月17日 12時55分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

非常に快適な「ロータリーマルチセレクター」

撮影時の背面。右下にある円形のホイールが「ロータリーマルチセレクター」。これは便利。その上にMENUと削除、その上にモードボタン(M)がある。撮影・再生ボタンで両者を切り替える

 S6で秀逸なのは背面のインタフェース。新たに採用された「ロータリーマルチセレクター」がすごく便利なのだ。iPodでいう「クリックホイール」みたいなもので、キヤノンが「Powershot S80」に搭載したダイヤルと似ている。ホイールの上下左右がボタンになっていて十字キーとしても使える代物だ。これは実にいい。

モードボタンを押すと画面に疑似モードダイヤルが出るので、あとはロータリーマルチセレクターをクルクル回す。撮影アイコンの左にあるのが無線LAN
シーンモードではこのように11個のシーンが用意されている。ここでもロータリーマルチセレクターは使える

 S6ではこのホイールを操作系にフルに活用しており、メニューを出してはクルクル、モードを呼び出してはクルクルと使える。クルクル回して右ボタン、クルクル回してOKボタンという具合。十字キーでもホイールでもどちらでも使えるシーンが多いので好きな方を利用できる。

 十字キーは上下左右に機能が割り当てられているが、セルフタイマー・フラッシュ・マクロといったところ。フラッシュのモードを変えたいときは、十字キーを上にいれ、ホイールか十字キーでどのモードにするか選んでOKを押すという手順になる。

 セレクターの横には3インチの大きなモニター。さほどハイコントラストではないが、その分視野角は広く、ハイアングルやローアングルなど斜めから撮るときや再生時に便利だ。

MENUボタン押すと撮影メニューに。ここでもスクロールにロータリーマルチセレクターが使える。撮影機能自体は少なめ

 撮影機能はSシリーズ特有のシンプルなもの。撮影メニューには露出補正やWB(カスタム設定可能)やISO感度設定はあるが測光パターンはないし、AFエリアも中央かマニュアル(画面上の好きな位置を指定できる)なので、顔認識AF時以外はたいてい中央のみがAFポイントとなる。

 また半押し時にシャッタースピードも絞り値もISO感度も表示されない。最近そういうデジカメが増えてきたが、やはり撮影情報がまったくないのは不便だ。

 もうひとつ、これもCOOLPIXに共通するのだが、メニュー表示中はいったんMENUボタンを押してそこから抜けないと撮影に戻れない。ここはいまいち。まあこの辺は、初心者の誤操作回避を重視した設計なんだろう。

 標準の撮影モード以外に、ポートレート、風景、スポーツ、夜景、それ以外のシーンモード(12個ある)、動画が用意されており、それはmodeボタンで画面に表示される疑似ダイヤルでセットする。アシスト機能付きのシーンでは構図ガイド表示なども可能だ。

 このモードダイヤルの中に「無線LAN」がある。無線LANを使うのは画像転送やプリントなので再生モードに似合う項目だと思うのだが、撮影モードに入っているのがちょっとナゾだ。

再生時のモード画面。ここからも無線LAN機能を呼び出したかった
再生モードのカレンダー。カレンダー上でロータリーマルチセレクターで日付を選べるのは便利

 再生時にはニコンならではの「D-ライティング」機能が使える。暗部を持ち上げることで全体に明るく細部を見やすくする機能。

再生モード時はD-ライティング機能で暗部を持ち上げてやることができる

 これはなかなか便利で、再生時にフェイスクリアーボタンを押すだけでいい。D-ライティングをかけた画像は別途「FSCN〜」という名で保存されるのでファイル名ですぐ分かる。

お店に展示してあった船を撮影。
船の写真にD-ライティングをかけてみた。影になってた船の下半分が明るく持ち上がっている。

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