3月19日、ROBO-ONE第9回大会が行われている東京パナソニックセンターで「2010年第1回 ROBO-ONE宇宙大会開催」の発表会が行われた。この発表は記者のみならず、ROBO-ONE出場者や観戦者に向けても行われたものであり、委員会の「本気」さを示すものである。
まず、発表に先駆けて、サンライズ制作によるプロモーションアニメが上映された。これが「物理法則を無視した」かっこいいものであり、いまROBO-ONEで活躍しているロボットの「METALLIC FIGHTER」と「DYNAMIZER」の戦いを魅せるもので会場からの大喝采を浴びた。このビデオは近日中にROBO-ONEの公式サイトで公開されるそうだ。
最初に西村輝一ROBO-ONE委員会代表より、主旨についての説明があった。
「ROBO-ONEは、二足歩行ロボットによる格闘技大会だ。2002年にスタートして、半年に1回のペースで本大会が開催され、今回が第9回大会となる。当初は歩くことさえおぼつかなかったロボットであったが、倒されて自分で起き上がるのは当たり前、今では走りながら跳びながらの攻撃をしたり投げ技を繰り出したりするところまできている。またROBO-ONE PCというシミュレーションでの戦いをすることで、低重力下でのロボットの戦いも行われている。これなら宇宙ももうすぐだ」(会場笑)。
そこで、2010年を目処に宇宙空間での対戦を目指すという。「今まで何度も宇宙大会と言ってきたのだけど、どうも本気にされていなかったようなところがあるので、ここで発表してしまおう」(西村氏)。
当初は、月面での開催を考えていたのだけれど、今の宇宙計画では(民間が)月面に行けるようになるのは早くても2030年のようだ。これではちょっと遠すぎるので、衛星軌道上での開催に計画を変更している。
地表からの距離を考えると、オゾン層までがだいたい80キロメートルで、ちょうど東京から熱海くらいまでの距離だ。スペースシャトルや国際宇宙ステーションがあるのが、500キロメートルくらいで、大阪くらいの距離。「まあこのくらいならなんとか行けるでしょうと……」。
「ロボワン衛星」打ち上げは、ピギーパック方式(ほかに目的がある衛星を打ち上げるときに、ロケットの余剰出力を使って相乗りさせてもらう)とする。だから、開催の日付は、どこに相乗りさせてもらうか、その衛星の計画がどうなるかによって、大きく変わってしまう。プロモーションビデオでは2010年10月10日としていたけど、「そのころにできればいいな」という計画だ。費用は1億から2億円程度かかると予想されている。
衛星は北極と南極の上を結ぶ極軌道を取ることが予想される。このような衛星が日本の上空を通るのは約10分間。この間に一度の戦いを行うわけだ。衛星は4〜5回日本上空を通過するので、その回数分は戦いができるということになる。
対戦するロボットは10×10×10センチの中に格納されていなくてはいけない。ただし宇宙空間に出てこれが変形して広がるというのはかまわない(奨励される)。また、ロボットは地上で二足歩行できることが要求される。
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