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手ブレ補正付きでも携帯性抜群の小型ボディ――ペンタックス「Optio A10」レビュー(2/6 ページ)

» 2006年04月21日 09時12分 公開
[永山昌克,ITmedia]

アルミ合金製のフルメタル外装

 Optio A10の外装は、ほぼ全面がアルミニウム合金製だ。全体を艶消しの薄いシルバーで仕上げ、天面から側面にかけては艶のある濃いシルバーの部材を配置する。高級感とはいいすぎだが、質感はそれなりに高い。

 デザインのポイントとしては、レンズの周辺部に12面カットしたリングをアクセント的にあしらったことや、上部の左手側に「ホールディングアシストディンプル」と呼ぶ“くぼみ”を設けたことが挙げられる。このくぼみは、構えた時に指をボディにフィットさせるための工夫である。また端子カバーは、全体のフォルムを損なわない形状で、きれいにまとめている。

 このように細部にまで配慮したデザインではあるが、外観から受ける印象はちょっと地味だ。普通すぎて、あまり面白みを感じない。同じく春モデルの「Optio T10」や「Optio W10」のほうが、まだ見た目に華がある。Optio A10は主力モデルということで、あえて飽きの来ないカメラらしいイメージにしたのかもしれないが、個人的には何かもう一工夫欲しかったと思う。

photo レンズ収納時は、凹凸の少ないフラットボディ。側面の端子カバーの中に、USB2.0とAV出力を兼ねた端子、外部電源端子がある
photo ボディ上面の左手側にあるくぼみが「ホールディングアシストディンプル」。ただのくぼみにしては、命名がすごい。その横には、手ブレ補正のプレビューボタンを装備

 レンズは光学3倍ズームを採用する。焦点距離や開放F値は平凡だが、手ブレ補正付きでこの薄型軽量サイズはお見事。レンズ群を上下2段に分けて収納ずる「スライディング・レンズ・システム」を従来機から受け継ぎつつ、さらにCCDシフト式の手ブレ補正機構を組み込んでいる。

 手ブレ補正のオン/オフはメニュー画面から行う。オンにしておくと、内蔵した2つのセンサーが手ブレを検出し、シャッターを押した瞬間にCCDを水平垂直に動かしてブレを低減してくれる。通常は、液晶画面には補正の効果は反映しないが、ボディ上部の手ブレ補正ボタンを押している間は、補正の効果をプレビューでき、プレビューしたまま撮影もできる。

 下の作例は、順にズームのワイド端でシャッター速度1/6秒、ズームのテレ端で1/40秒、同じくテレ端で1/50秒の低速シャッターでそれぞれ撮影したが、いずれも手持ちでブラさずに撮ることができた。小さくて軽いボディはそもそも手ブレが生じやすいが、その危険や不安を軽減できるメリットは大きい。

photo かなり暗い室内だったため、シャッター速度は1/6秒になったが、ほとんどブレずにシャープに写った。ズームのワイド側の開放値はF2.8
photo ズームのテレ側の開放値はF5.4とやや暗めだが、その弱点を手ブレ補正機構が補ってくれる。感度はISO200を使用した
photo 露出補正を+1にセットして、新緑を明るめの露出で撮影。過度なエッジ強調は見られず、細部の表現は自然だ

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