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» 2006年04月30日 04時10分 公開

麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」:「液晶」「プラズマ」どちらを選ぶ? (4/4)

[西坂真人,ITmedia]
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では、液晶/プラズマ、どっちを選べばいいの?

――液晶・プラズマの最近の進化と今後の方向性はわかりました。では、ユーザーはどちらを選べばいいのでしょうか?

麻倉氏: 従来のテレビ的な使い方でいうなら、液晶という選択肢は正しいかもしれません。ただし、テレビのあり方も、情報を入手するという面もあれば、それで映画を観るなど情緒的なコンテンツを楽しむといった使い方もあります。つまり、日常に必要な情報をプロバイドしてくれる“情報表示機器”であり、もう1つは感動をプロバイドする“情緒機器”でもあるということです。

 明るい環境の中でしっかりとした情報を出してくれることを望むなら、液晶がいいでしょう。特に、放送がデジタルになりハイビジョン化が進むなど、画素が増えてくれば増えるほど液晶は強いです。地上デジタル放送などは特に液晶が得意とするところでしょうね。

 ただし液晶はパワーを全面展開する“強調・主張型”です。液晶テレビ゛ではイコライジングでコントラスト比を絞れません。全開がいちばん向いています。したがって、情報表示機器としては向いています。しかし、じっくり映像の中に入り込んでコンテンツが心にどう響くかを追求するような時には、あまりハイパワーでないほうがいいのです。その意味でプラズマは、画の出方が自然で強調感が少ないなど、懐の深さを感じます。ブラウン管時代から親しんでいる自発光のなじみやすさもあるのでしょうね。

 オペラや映画など作品力があるコンテンツを楽しむには、圧倒的にプラズマがいいのですが、かといってプラズマがテレビ的な使い方に向いていないわけではなく、消費電力も下がり明るさも向上しているので日常使用にも問題なくなっています。

 一方、液晶は画面サイズの自由さがあります。プラズマで30インチ以下はないわけで、部屋の大きさが必要になるので、パーソナル性では液晶しかないのです。

 薄型テレビ時代になって、設置性も含めせっかく30インチ以上が気軽に楽しめるようになったのですから、従来のテレビ的な使い方とは違った新しい切り口を、もうそろそろ求めたいのですが。

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麻倉怜士(あさくられいじ)氏 略歴

 1950年生まれ。1973年横浜市立大学卒業。 日本経済新聞社、プレジデント社(雑誌「プレジデント」副編集長、雑誌「ノートブックパソコン研究」編集長)を経て、1991年にデジタルメディア評論家として独立。自宅の専用シアタールームに150インチの巨大スクリーンを据え、ソニー「QUALIA 004」やBARCOの3管式「CineMAX」といった数百万円クラスの最高級プロジェクターとソニーと松下電器のBlu-ray Discレコーダーで、日々最新AV機器の映像チェックを行っている、まさに“映像の鬼”。オーディオ機器もフィリップスLHH2000、LINNのCD12、JBLのK2PROJEST/S9500など、世界最高の銘機を愛用している。音楽理論も専門分野。
 現在は評論のほかに、映像・ディスプレイ関係者がホットな情報を交わす「日本画質学会」で副会長という大役を任され、さらに津田塾大学の講師(音楽史、音楽理論)まで務めるという“3足のワラジ”生活の中、精力的に活動している。

著作
「久夛良木健のプレステ革命」(ワック出版、2003年)──ゲームソフトの将来とデジタルAVの将来像を描く
「ソニーの革命児たち」(IDGジャパン、1998年 アメリカ版、韓国、ポーランド、中国版も)──プレイステーションの開発物語
「ソニーの野望」(IDGジャパン、2000年 韓国版も)──ソニーのネットワーク戦略
「DVD──12センチギガメディアの野望」(オーム社、1996年)──DVDのメディア的、技術的分析
「DVD-RAM革命」(オーム社、1999年)──記録型DVDの未来を述べた
「DVD-RWのすべて」(オーム社、2000年)──互換性重視の記録型DVDの展望
「ハイビジョンプラズマALISの完全研究」(オーム社、2003年)──プラズマ・テレビの開発物語
「DLPのすべて」(ニューメディア社、1999年)──新しいディスプレイデバイスの研究
「眼のつけどころの研究」(ごま書房、1994年)──シャープの鋭い商品開発のドキュメント


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