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» 2006年05月12日 09時55分 公開

DVDレビュー:れこめんどDVD「デュークス・オブ・ハザード ノーカット完全版」 (1/2)

昨年夏に全米公開、初登場1位! 最終的に興行収入8000万ドルとなった話題作が「デュークス・オブ・ハザード」。ただし日本未公開のまま、突然DVDでリリース。そんな扱いだが、この痛快娯楽作品を見逃すにはあまりにももったいない!

[飯塚克味,ITmedia]

「デュークス・オブ・ハザード ノーカット完全版」

発売日:2006年4月7日
価格:3980円
発売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
上映時間:107分(本編)
製作年度:2005年
画面サイズ:シネマスコープサイズ・スクイーズ
音声(1):ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語
音声(2):ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語

日本では不発、でもアメリカでは大人気シリーズ

 「デュークス・オブ・ハザード」は70年代末から80年代にかけて全米で圧倒的な人気を誇ったテレビシリーズ「爆発! デューク」の映画版だ。「爆発! デューク」は日本ではそれほどの人気を獲得できなかったが、全米では何と7シーズンまで続き、その後を描く番外編まで製作されている。アメリカでは現在テレビシリーズのDVDセットも続々と発売されているほどだ。

 テレビシリーズの映画化をひたすら続けるハリウッドでこれほどヒットしたシリーズがなぜ今まで映画化されなかったのは実に不思議だが、満を持しての映画版に全米の観客は飛びつき、昨年公開された夏の大作の中でもこの手の作品としては充分な興行収入8000万ドルを記録した。

 ちなみに同時期に公開され、2億ドルという驚異的なヒットをした「ウェディング・クラッシャーズ」、1億ドルを突破した「40イヤー・オールド・バージン」は共に日本では劇場公開はおろかDVDリリースもされていない。全米でヒットをしても日本で公開されない作品は特に珍しくはないのが実情だ。日本人になじみのないスターの出演や受けそうにない題材であることが、公開を大きく阻んでいるからである。「デュークス・オブ・ハザード」もオリジナルのテレビ版が日本ではヒットしなかったことと、映画版のスターの知名度が劇場公開を見合わせたと想像するのが妥当だろう。

お色気担当のジェシカ・シンプソンが抜群

 主役のボー・デュークにはショーン・ウィリアム・スコットが扮している。彼の作品では「アメリカン・パイ」シリーズが一番知られているが、そもそもこのシリーズが日本ではヒットしていない。そのほかの出演作にはチョウ・ユンファ主演の「バレットモンク」やザ・ロック主演の「ランダウン」などがあるが、いずれも主演俳優のインパクトが強すぎて日本でショーンの名前を知っている人はほとんどいないだろう。

 またボーとともに全編出ずっぱりのルーク・デュークはあの「ジャッカス」で知られるジョニー・ノックスヴィルが演じている。しかし彼についても「ジャッカス」ファン以外には一体誰なのかさっぱり分らず、正体不明の騒々しい奴にしか見えないだろう。

 唯一知名度があるのがお色気部門担当のデイジーを演じるジェシカ・シンプソンだ。アーティストでもある彼女はテレビシリーズ「ニューリーウェッズ 新婚アイドル:ニックとジェシカ」でも存分にそのバカッぷりを披露して人気者になっている。DVDのパッケージには日本語のタイトルを覆い隠し、堂々と「ジェシカ・シンプソン」の文字が目立つように黄色い帯が付けられているのも納得だ。

 そのほかの俳優陣では悪役ジェファソン・ホッグにバート・レイノルズ。監督が「トランザム7000」のファンだったから起用されたようだが、「キャノンボール」や「トランザム7000」で警官をコケにして走りまくっていた姿が懐かしくなり、配役に時代の流れを実感する。

 デューク一家の長、ジェシーにはカントリーシンガーとしてあまりにも有名なウィリー・ネルソン。クライマックスに出てくる知事役にはかつて「ウォーキングトール」で田舎の治安を守ったジョー・ドン・ベイカーが扮している。また「ワンダーウーマン」ことリンダ・カーターの出演もオールドファンにはうれしいが、主役3人が日本でブレイクしていないのが残念としか言いようがない。

 監督はビル・パクストン主演の「ミステリー・ツアー」を手掛けたジェイ・チャンドラセカール。全くなじみのない監督だが、本作を見る限り娯楽映画をしっかり仕上げる実力を持った職人監督らしく、まだ30代後半ということもあり、これからの活躍が楽しみな人物である。

 物語は片田舎ハザード郡で始まる。住民全員が顔見知りという小さなこの町で1969ダッチチャージャー(通称、リー将軍)を操り、日々密造酒の販売に精を出すルークとボー。ルークは町じゅうの女性と関係を持っているのではないかというほどの女好き。一方、ボーはスピード狂で車を運転している時が何よりも幸せを感じている。2人の従妹で町一番の美女デイジーは気が強く、誰もが夢中だが、誰も手出しできずにいる存在だ。そして3人の上に立つのが、ジェシー。デューク一家の長として日々密造酒作りに励んでいる。

 ハザード郡は近々開催が迫っているレースの話題でもちきり。これまでに4連勝を続けているボーが優勝すると、大会新記録となるからだ。しかしそんな楽しい話題の裏で町を牛耳る悪党ボス・ホッグスがとんでもない企てをたくらんでいた。地域を丸ごと買収して、石炭の採掘を始めようというのだ。公聴会で反対する住民がいなければホッグスの企みは現実のものとなってしまう。一方、ホッグスは町の話題をレースに集中させるため、ボーがチャンピオンになる以前の覇者、ビリーを町に呼び寄せる。ボーはレースに勝つことができるのか? また町は炭鉱となって美しい自然は消え去ってしまうのか? クライマックスに向け、リー将軍こと、ダッチチャージャーが走りまくる!

 この映画の良いところは全編ご都合主義ながら、見せ場を手を抜かずしっかりと描いている点だ。中でも主人公たちがピンチに陥ると従妹であるデイジーがお色気たっぷりに登場し、必ずピンチを救ってくれる場面は必見! 見ているこちらも納得のお色気度なので、コロッとやられてしまう男たちの気持ちになって作品を楽しめる。こんな従妹が本当にいたらたまったものではないが、この作品ではジェシカ・シンプソンを見ているだけで幸せな気分に浸ることが出来る。

 またジョニー・ノックスヴィルの芝居には所々「ジャッカス」を思わせる痛がりシーンもあってファンにはたまらない。ショーンのバカっぷりもこの作品には見事にマッチして映画の盛り上げに大いに貢献していると言えよう。

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