本製品でやはりもっとも注目度が高いのが「おでかけ・スゴ録」機能だろう。既にディスコンとなった「RDR-AX75」に初搭載された機能で、PSPで再生可能なMPEG-4/AVCフォーマットへの変換機能を持つだけでなく、通常の録画とMPEG-4/AVCフォーマットで同時録画を行い、変換作業なしでのPSPへ高速転送することも可能だ。RDR-AX75ではデジタル放送に非対応だったが、本製品ではデジタル放送もDVDメディアへのダビングと同様に「ムーブ」可能。「PSPでも観たいけど、ハイビジョン録画をそのまま残しておきたい」といった場合には、地上波ならデジタル放送とアナログ放送両方を録画し、アナログ放送録画のほうをPSPへ転送すればいいわけだ。
通常録画とMPEG-4/AVCの同時録画は「おでかけ転送 高速転送録画」と呼ばれ、デジタル放送か地上アナログ放送のどちらか片方を指定して常時同時録画を行う。ただし、MPEG-4/AVCを作成するぶんHDDを余計に消費することもあり、同時録画機能は無効にすることもできる。もちろん、同時録画しなかった録画番組でもPSPへダビングしながら変換したり、転送とは別に変換作業を行うことが可能だ。ただし、変換作業には再生時間とほぼ同じ時間を要し、その間は録画(予約録画を含む)やホームサーバ機能が使えない点に注意したい。
MPEG-4/AVC録画/変換時の解像度は320×240ピクセル固定で、ビットレートは「自動」「768Kbps」「384Kbps」の3種類から選択できる。「自動」に設定した場合は、TS録画(DRモード)やESP以上の録画モードなら「QVGA/768Kbps」で、LP以下の録画モードでは「QVGA/384Kbps」となる。
PSPへの転送時には、後述のダイジェスト再生機能と同様にハイライトシーンだけを転送することができる。またアナログ放送の録画番組では、既に再生した部分を飛ばして未視聴分――つまり続きだけをダビングすることも可能だ。ただし、字幕付きのデジタル放送をTS録画した場合、設定に関わらずPSPへは字幕付きでダビングできないため、録画の時点で字幕が映像に合成して録画されるMPEG(VR)録画を行う必要がある。
PSPへの転送は、既にMPEG-4/AVCへ同時録画/変換済みの場合で768Kbpsの60分番組が5分前後、変換しながらの場合には概ね番組の再生時間を要する。ちなみにPSPをUSBケーブルで接続する以外にも、純正のMagicGate対応メモリースティックUSBリーダー/ライター(MSAC-US30)を接続してもメモリースティックDuoへの転送が行える。転送に要する時間もほぼ同じだった。
画質に関しては、圧縮率の高いMPEG-4/AVCを採用していることもあって384Kbpsでも大きな破綻はない。768Kbpsとの画質の違いは、シーンチェンジなどでブロックノイズが一瞬見えることがある程度。サッカー中継など、速い画面の動きを繰り返すような番組でなければ384Kbpsでも十分だろう。
地上波アナログ放送の受信状況にもよるとは思うが、デジタル放送でもアナログ放送でもPSPで再生する場合の画質には大きな変化は感じない。16:9で放送されている番組はデジタル放送で録画するとPSP側で自動的にワイド画面(フルスクリーン)再生できて便利だが、あくまで解像度は320×240ピクセル。とくに画質がシャープということはなく、むしろフォーカスが甘く感じる面もあった。PSPで再生することを前提としたテレビ録画ならアナログ放送でも十分だし、未視聴分のみの転送できるなどメリットは多そうだ。
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