ITmedia NEWS >

未来を感じさせる技術が面白い――NHK技研公開っぽいかもしれない(2/4 ページ)

» 2006年05月26日 12時25分 公開
[こばやしゆたか,ITmedia]

シリコンマイク

 これもどんどん進歩してるデバイスだ。このマイクは、心臓部が2ミリ×2ミリ、全体でも4.4ミリ×4.4ミリというサイズで、シリコンの単結晶から作られている。

 シリコンの単結晶というと半導体の話だと思うのだけど、ここではそうではない。実はシリコン単結晶は鋼鉄の15倍の引っぱり強度を持つという特性があるのだ。これはマイクのダイアフラムとしてもってこいの素材である。これを使うことで、超小型で高性能のマイクが作れることがわかったのだ。

photo

 シリコンの単結晶だから、ウェハ上で一度にたくさん製造するというLSI作成の技がそのまま使えることになる。マイク内蔵のICチップなんてのも考えられるわけだ。

 今年の展示では、「シリコンだから水に強いし熱に強いし薬品にも強い、今までのマイクが近づけなかったところでも使えます」ということをアピールしていた。

photo 水しぶきを浴びても問題なしのシリコンマイク

 いまのところ、シリコンマイクは(放送局用の)48ボルト駆動と、12ボルト駆動のものとがある。携帯電話のバッテリで動かせるようになるのはまだちょっと先だそうだ。

視聴者には見えないテロップ

photo
photo

 上は生の写真、下はそれをカメラで撮って映したモニタ画面。恐竜の映像が変わっちゃったんでわかりにくくなってしまって、申し訳ないんだけど、後ろのスクリーンのテロップが下では映っていないというのがポイント。テレビに映らないテロップなのだ。

 原理を聞いてしまうと簡単で、このテロップはフィールド間のカメラのシャッターが閉じている瞬間にしか表示されていないのだ。離れて見ているぶんにはチラチラして見えない。出演者へのカンニングペーパーやディレクターからの指示などを表示するのに使用する。

 このスタジオにはもうひとつしかけがある。説明者の前にあるテーブル状のパネルには赤外線LEDがしこまれていて、四隅がすぐにわかるようになっているのだ。撮影するテレビカメラとレンズの間には赤外線カメラのユニットを取り付けてあり、カメラの位置がどう動いてアングルが変わっても、テーブルの位置が瞬時にわかる。この上にCG画像をのせれば、カメラが動くとCG画像の向きも一緒に変わるなんていうのがリアルタイム(生放送)でできるというわけ。

photo

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.