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テレビでホームセキュリティ――松下電工

» 2006年05月31日 18時12分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 松下電工は5月31日、松下電器産業のデジタルテレビと連携するホームセキュリティシステム「くらし安心ホームシステム」を発表した。宅内の照明器具や各種センサー、インターホンなどをネットワーク化。「Tナビ」対応テレビを使って管理や遠隔操作が行える。7月21日から新築戸建て専用として販売する予定だ。

photo Tナビ対応のVIERAで家中の住宅設備機器をコントロール

 Tナビには「くらしの防犯サイト」を新設し、警察署が配信している地域の防犯情報や専門家による防犯対策、防犯関連商品の紹介などを行う。地域情報は当初、東京都(警視庁)および大阪府(大阪府警)の2都府に限られるものの、「同様の防犯情報は全国17都道府県の警察本部が実施しており、Tナビにも順次くわえていく方針だ」(同社)。

photo Tナビ画面からホームセキュリティメニューを呼び出したところ

 一方、宅内のシステムは「くらし安心・安全盤」と呼ばれる情報分電盤を中心に構成する。分電盤は、電気配線のブレーカーにくわえて、初の「ホーム情報ブレーカー」を搭載しているのが特徴。松下電工のセンターサーバと通信を行う際にSSL暗号化を行うほか、動的なパケットフィルタリング機能(SPI)、大容量データ通信時の帯域制御、大量の異常パケットを検知すると該当するポートを遮断する機能などを備えた。「常にセキュリティ関連の通信を確保する」仕組みだ。

photo 「くらし安心・安全盤」は、初の「ホーム情報ブレーカー」を装備。IPv6にも対応する

 くらし安心・安全盤の下には、3つのシステムを構築できる。たとえば「ネット・リモコンシステム」では、照明やエアコンをテレビ画面や携帯電話からコントロール可能。玄関のカメラ付きドアフォンを設置する「ネット・玄関番システム」では、不在時の来客を撮影して携帯電話にメールを送信したり、帰宅後にテレビ画面で確認するといったことが行える。さらに、窓センサーなど侵入警報装置を追加する「ネット・セキュリティシステム」も用意した。それぞれ対応するネットサービスと組み合わせて利用する。

photo 来客の画像をテレビ画面で参照しているところ
photo ネット・リモコン。テレビ画面でエアコンや照明の電源をコントロールしている

 初期導入コストは家の規模やユーザーニーズによって上下するが、上記のシステム1つあたり10万円程度から導入可能。たとえば4LDKの住居にフルシステムを適用した場合なら90万円前後になるという。なお、ネットワークサービスの利用には別途525円の月額料金が発生するが、サービスの新規申し込みから料金の支払いまで、すべてTナビ上で行える。「Tナビは、テレビやCATV STBが搭載しており、累計台数は300万台に及ぶ。すばやく起動し、リモコン1つで操作できるデジタルテレビを家庭内の“情報の窓”に位置付けた」(同社)。

photo 「ネット・リモコンシステム」「ネット・玄関番システム」「ネット・セキュリティシステム」の構成例

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