ローランドは6月2日、エンターテイメント志向のキーボード「VIMA」(ヴィーマ)シリーズ2機種を発表した。豊富な入出力端子を備え、大画面テレビやデジカメ、iPodなどを接続して「音楽と映像を一緒に演奏できる、新コンセプトの楽器」(ピアニストのKenjiro氏)。50〜60歳台のいわゆる「団塊世代」をメインターゲットとして、今秋発売する予定だ。
団塊世代の趣味市場規模は、2007年に5兆円に達するといわれているが、同社によると50〜60歳台を中心とする彼らは、ビートルズやベンチャーズに憧れ、また若い頃にフォークソングブームを経験した“元祖バンド世代”という。それだけに楽器に対する関心も高く、「実際、大人向けの音楽教室は生徒数を着実に伸ばし、ギターショップには“若い頃の憧れのギター”を求める団塊世代の人が増えた」(同社)。
ただし、楽器演奏の経験がない人も多く、単機能のキーボードでは市場が限られる。そこで同社ではVIMA用ソフトとして、誰でも知っている名曲を集めた楽譜集と対応ミュージックデータ、静止画スライドショーを収録したCD-ROMセット「ドレミファ楽譜セット」を用意。楽器初心者の取り込みを狙う。
セットの楽譜にはドレミ音名の付いた大きな音符を使い、右手だけで簡単に演奏可能。また演奏者がメロディパートを小さい音量で確認できる「メロディ・ガイド」や「テンポ調整」といった機能にも対応する。第1弾として、フォークソング、歌謡曲、童謡をそれぞれ10曲ずつ収録した3タイトルをリリースするほか、「順次ジャンルやタイトル数を増やしていく」。
キーボード自体も機能満載だ。ラインアップは、ベーシックモデルの「RK-100」とビデオ機能を搭載した「RK-500」の2つ。とくにRK-500は、背面や前面に合計4系統のビデオ入力やUSB端子を備え、大画面テレビやDVDプレーヤー、ビデオカメラなどAV機器と組み合わせて「リビングルームを音楽ホームシアターにする」(同社)という。
たとえば楽曲を再生しながら、CD-ROMやUSB接続したデジカメの画像をスライドショー。パーティなら、ビデオカメラを接続して歌う人や歓談する人たちをリアルタイムに映し出す。映像や画像はボタン1つで切り替えられるため、曲調に合わせて画面を自由に演出できるという。
もちろん、ドレミファ楽譜セットを使って一緒に演奏したり、「センターキャンセル」(ボーカルキャンセル)やテンポ/キー調整を使ってカラオケを楽しむことも可能だ。デモンストレーションでは、ピアニストのKenjiro氏が登場。手のひらをかざすだけで微妙な音を表現できる「Dビーム」などの機能を用いて多彩な演奏を披露した。
そのほかの主な仕様は下記の通り。
製品名 | RK-500 | RK-100 |
---|---|---|
鍵盤 | 88鍵PHA鍵盤、エスケープメント付き | 61鍵 |
最大同時発音数 | 128音 | 64音 |
音色 | トーン:264、ドラムセット:8ドラムセット+1マニュアル効果音・ドラム音、GM2、GM、GS、XG Liteフォーマットに対応 | |
内蔵曲 | 70曲以上、静止画約300枚 | 35曲以上 |
ビデオ入力 | 4系統(うち2つがオーディオ入力付き) | 1系統(オーディオ入力付き) |
ビデオ出力端子 | S端子/コンポジット、アナログRGB(D-Sub 15ピン) | コンポジット |
その他接続端子 | USB、MIDI(IN/OUT)、エクスプレッション・ペダル、ヘッドフォン×2、ボーカルマイク×2など | |
外形寸法 | 1395(幅)×568(奥行き)×851(高さ)ミリ※1 | 1119(幅)×378(奥行き)×144(高さ)ミリ |
重量 | 本体52.8キロ、スタンド26.6キロ | 本体9.2キロ |
発売時期 | 2006年9月 | |
価格 | オープンプライス | |
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